大谷世界一のチャンス広がる!? PS進出チーム「10」→「12」に拡大 MLB側譲歩で合意へ

[ 2022年3月2日 05:30 ]

エンゼルスの大谷翔平
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 大リーグの労使交渉で争点の一つだったポストシーズン(PS)進出チーム数拡大について、現行の10から12へ拡大することに合意したと、全国紙USAトゥデーの看板記者ボブ・ナイチンゲール氏がツイッターで伝えた。14チームへの拡大を求めていた機構側が譲歩した形となった。

 PSに進出できるチームが増えれば試合数も増え、収益もアップするというメリットを求めるのは、労使双方で共通している。一方で選手会は、進出チームが全30球団の半分近くにあたる14まで増えると、球団サイドが選手補強のために資金を使わなくなる可能性を危惧していた。

 この合意により、各リーグから6チームずつがPSに進出できることになる。注目されるのが、大谷が所属し、14年以来8年ぶりのPS進出を狙うエンゼルスだ。

 昨季は大谷が投手として9勝、打者として46本塁打、100打点などでア・リーグMVPを獲得する活躍を見せたにもかかわらず、トラウト、レンドンら主力の故障が響き、4年連続の4位に終わった。トラウトらが復帰するのに加え、既にシンダーガード、ロレンゼンらの先発投手を補強。巻き返しへ戦力は整いつつある。

 進出チームの決定方式が各地区1、2位球団となるか、各地区の優勝チーム3球団+ワイルドカード3球団(優勝チームを除いた勝率順)となるかは不明。ただ、米データサイト「ファングラフス」は今季のエ軍を、5年連続PS進出中の強豪アストロズに次ぐア西地区の2位と予想しており、大谷のPS初出場に期待が高まる。

 《全体の40%PS進出は北米4大スポーツで最少》昨季までMLBのPS進出チーム数は10で、全体の33.3%。今季から12に増えることで40%となったが、北米4大プロスポーツでは最少。他はNBAが30チーム中16で53.3%、NFLが32チーム中14で43.8%、NHLが32チーム中16で50%となっている。MLBは試合数が最も多い(162)ため、PS進出チームを増やすことはレギュラーシーズン軽視につながるとの懸念もあった。

 《労使交渉の経過》
 ▼21年12月2日 新労使協定が1日の期限までに妥結せず、ロックアウト(施設封鎖)に突入。

 ▼同16日 ロックアウト突入後、初めての労使間協議が行われたが、主要議題は先送り。

 ▼22年1月13日 交渉再開。主要争点のFA権取得条件やぜいたく税などで双方の溝埋まらず。

 ▼2月1日 年明け4度目の交渉。選手会側から、年俸調停権取得前の選手の給与増加の上限額を引き下げる譲歩案提示も大きな進展なし。

 ▼同3日 機構側が連邦調停局に労使交渉の仲裁を要請するも、翌4日に選手会は拒否。

 ▼同10日 ロブ・マンフレッド・コミッショナーが会見で「予定通りプレーするため、合意できると信じている」。両リーグDH制、ドラフト抽選制、FA選手が他球団と契約した際に旧球団にドラフト指名権が与えられる補償制度の撤廃で合意したと明かす。

 ▼同17日 当初のバッテリー組キャンプ初日。正式発表がないまま延期に。

 ▼同22日~3月1日 8日連続で交渉。メッツの右腕シャーザーら複数の現役選手も参加し、26日からマンフレッド・コミッショナーも参加。(日本時間)

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