【阪神・大山―広澤氏対談(上)】明かした“二刀流”の意識改革 反応で打つ+配球の読みでもっと打つ

[ 2022年3月2日 06:30 ]

<阪神大山×広澤克実氏対談>今季への意気込みを広澤氏(左)に語った大山(撮影・坂田 高浩)
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 阪神・大山悠輔内野手(27)が本紙評論家・広澤克実氏(59)との対談で打撃の意識改革を明かした。反応で打つ従来のスタイルに加え、配球の読みも重視。藤井康1、2軍巡回コーチから指導された4スタンス理論の実践で好不調をはかるバロメーターも発見するなど、新境地開拓へ手応えを示した。(構成=長谷川 凡記)

 広澤 地元の茨城・下妻(※1)のおっちゃんとして聞くからね。バッターって反応で打つ人と配球の読みで打つ人がいると思うけど、俺の予想だよ。反応で打つこともあるだろうけど、大体は読んで打つタイプじゃない。大山はどう?

 大山 今までは、ほとんど反応というか、時には読んで打つこともあったんですけど、どっちかというと反応で打つことの方が多くて。でも、それでは限界があるなとは感じていて、少しずつですけど、配球というか、5年間やってきて、自分のデータとかも出てきているので、そういう読みというのも頭に入れながらやっていますね。

 広澤 昨年9月に巨人のビエイラからサヨナラホームラン打ったでしょ(※2)。その時も反応だった?

 大山 まあ読みで。スライダーが初球ボールになって、その時に、自分の中でスライダーにタイミングが合っているというのが、あったので、次の真っすぐを引っ張るぐらいのタイミングで打ちにいきました。

 広澤 見事だったよね。

 大山 スゴくいいところで打てました。

 広澤 大山が悪い時は体が前にいきすぎちゃって、失敗することが多い。サヨナラホームランの時も前にいくんだけど、ちゃんと返ってきている。たとえば、鈴木誠也や吉田正尚は体が前にいくんだけど、返ってくるので、まったく(軸が)動かないように見えるわけ。だから大山も体重移動は良くなってきているよね。

 大山 藤井(康)さんが来られてから、4スタンス理論で、自分は何タイプか知らないでやっていたんですけど、自分のタイプ(※3)は体が前にいくんですけど、打った後にステイバックというか、そういうのをするタイプと言われている。そこは一つ、自分の調子の確認の仕方でもあるのかなと思っているので、意識してやっています。

 広澤 去年の今頃から比べると、やっぱり体が前に出ていない。スゴく良くなっていると思う。そういう意味では少し手応えもあるのかな。

 大山 そうですね。自分の中で、試したいなというのはあるんですけど、それが少しずつできているのかなと思うので、キャンプは順調にできました。

 広澤 まだ今年28歳だから、思ったようにやったらいいよ。よく、鈴木誠也や山田哲人だとか、俺らの時代だと落合(博満)さんや清原(和博)だとか、いろんな種類の打者がいて、何種類かのパターンに分かれると思うんだけど、大山は特殊なフォームを持っているから。だからスタンダードじゃない。自分の感性を大事にした方がいいよ。イチローもスタンダードじゃない。良い悪いじゃなくてね。だから感性を大事にして頑張ってな。

 大山 ありがとうございます。

 (※1)広澤氏は茨城県下妻市生まれ。大山も同市出身。

 (※2)昨年9月4日の巨人戦(甲子園)は「6番・三塁」で出場。2―3の9回無死一塁で1ボールから2球目に来たビエイラの156キロを左翼席へ。通算3本目のサヨナラ弾で首位浮上を呼んだ。

 (※3)大山は、重心の位置がつまさき・外側にある「A2タイプ」で、王貞治、古田敦也らと同じ。

 ※対談(中)に続く

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