阪神・藤浪　スタイル“CHANGE”　カーブ決め球にロハス斬り「やりたいことはできた」

紅白戦   白組4－2紅組　※特別ルール （ 2022年2月6日    沖縄・宜野座 ）

＜紅白戦＞初回、藤浪はロハスから空振り三振を奪う（撮影・大森　寛明）
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　“CHANGE”の一端を見せた。今春初実戦となった阪神・藤浪は2回2安打1失点。佐藤輝に一発は浴びたが、決め球にカーブを選択して打ち取るなど、投球の「幅」を見せるスタイルで収穫を得た。

　「やりたいことはできた。ブルペンでやっていることは出せた」

　イメージを覆すフィニッシュに、スタンドがどよめいた。初回2死無走者、追い込んでいたロハスに投じた3球目。放物線を描いて内角低めに切れ込むボールに助っ人のバットが空を切る。109キロ（球団公式動画配信サービス「虎テレ」の球速表示）のカーブだった。「梅野さんから突然サイン出たのでびっくりしたんですけど。相手の頭にチラつくと思う。あるっていうだけでも違ってくる」。昨季シーズン中もわずか2球しか投げてこなかった球種で、ずっと投球の軸だった直球、カットボールに頼らない意図が見えた。さらに、カーブを投げる直前には無死一塁で一塁走者の近本をけん制アウト。珍しい“小技”と緩急で序盤のピンチを見事に排除した。

　「悪い球じゃなかったと思うので打った輝がすごかった。きれいに素直に払われた」

　2回、先頭の佐藤輝には10球目の直球を左翼席へ運ばれるソロを被弾した。昨年の紅白戦では空振り三振に斬った2年目の怪物にリベンジの一発を浴びた悔しさを上回ったのは、何かが変わっていることへの手応えだ。

　この日、大山と務めたワンデーキャプテンではナインの前で「CHANGE」のススメを説いた。1字違いの「CHANCE」を引き合いに「少し変わる勇気を持った人間にだけチャンスは訪れる」と熱弁。変革の気概がうかがえる有言実行のマウンドと言えた。

　「先頭の近本のところは力んだというか、ブルペン通りできていないと思ったんですけど、それをすぐ修正できた。ああやって戻れるなら全然いい」。変わるための第一歩を、力強く踏みしめた。（遠藤　礼）