阪神・佐藤輝 “12球団1号”だ!「侍4番」最右翼にも浮上!! 今季初実戦の紅白戦初打席で藤浪撃ち

[ 2022年2月6日 05:30 ]

紅白戦   白組4-2紅組 ※特別ルール ( 2022年2月6日    沖縄・宜野座 )

<阪神・宜野座キャンプ 紅白戦>2回 無死 藤浪(左)から左越えに本塁打を放つ佐藤輝(撮影・成瀬 徹)
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 やはり規格外だ!阪神・佐藤輝明内野手(22)が宜野座キャンプ第2クール初日の5日、今年チーム初実戦の紅白戦に紅組の「4番・右翼」で出場し、第1打席で藤浪から左翼ポール際へ“12球団1号”を放った。成長の跡を示す豪快弾で、22年の好発進を切った。そんな猛虎の大砲は、3月5、6日の侍ジャパン強化試合・台湾戦(東京ドーム)にヤクルト・村上の招集が微妙となっている現状を受け、事実上の「4番最右翼」となった。

 「千両役者」の面目躍如だ。12球団最速で行われた紅白戦の初打席。進化を期す大砲のバットが生み出した放物線に、宜野座村野球場に駆けつけた今キャンプ最多450人の観衆が酔いしれた。

 「しっかり振ることは考えていました。打たないよりは、打った方がいいですよね。まだキャンプなんで、そんな別に…」

 1年ぶりの“再戦”を制した。マウンドには昨年2月7日の紅白戦で空振り三振を食らった藤浪。その10球目だった。外角高めの直球を鋭く振り抜くと、打った瞬間にアーチを確信させる打球が快音に彩られて逆方向へ。左翼ポール際への“12球団1号弾”。どよめきと拍手を浴びつつ、ロハスに促される形で22年初の「Zポーズ」も繰り出した。

 「早く前に飛んでくれ…と。ああいう球をもうちょっと早く捉えられるように」

 4球のオール直球勝負でまともに前へ飛ばせなかったのも、今は昔。今年は一度も空振りすることなく、藤浪の剛速球に食らいついた。特にフルカウントから4球連続ファウルで粘った内容に「あのへんがちょっと変わってきたんじゃないの」と井上ヘッドコーチ。藤浪からも「去年はすごく振り回している感じでしたが、今年はそんな印象はなかった」と賛辞を受け、視察した中日・金子スコアラーからは「去年と同じ配球では打ちとれないと感じた」と警戒を強められた。

 新境地の開拓を進める。外角高め直球は昨季一度も安打を放てなかったボール。そして左翼ポール際はシーズン24本塁打で1本も放り込めなかった方向だ。だが今季は違う。「コースに逆らわずに、外目の球をあっち(左翼)に打てたのは良かった。自分のスイングをすればあそこに飛ぶ」。3日からバットのヘッドを投手方向に向ける打撃フォームを取り入れるなど試行錯誤しつつ前進を続ける。マルチ安打を記録し、大山との「4番争い」も先勝の格好だ。

 近日中には侍ジャパンの栗山監督が宜野座キャンプを視察予定。すでに若手中心で臨む3月5、6日の台湾戦の代表候補に入っており、調整が遅れている村上(ヤクルト)の招集が微妙となったことで、事実上の4番最有力候補だ。「対外試合とかも入ってきますし、しっかり自分のスイングを心がけて。(今季目標は)ホームラン100本です」。ニヤリと言い放ったのも、手応えの表れ。侍の4番をへて、猛虎の4番へと突き進む。(阪井 日向)

 ▽近年の阪神1号アーチ
 ★17年・中谷 初実戦の2月8日、紅白戦。紅組の4番で4回に松田から左越えソロ。
 ★18年・西岡 初実戦の2月7日、紅白戦。白組の1番で2回に才木から右越え2ラン。
 ★19年・中谷 初実戦の2月7日、紅白戦。紅組の4番で2回に望月から左越え3ラン。
 ★20年・木浪 初実戦の2月8日、中日との練習試合(北谷)7番で4回、阿知羅から中堅右へ3ラン。
 ★21年・小野寺 2試合目の2月7日、紅白戦。紅組の7番で6回、谷川から左越えソロ。

 【データ】阪神の選手で日本代表の4番を務めたのは、08年北京五輪の新井貴浩のみ。生え抜き選手が務めると初になる。

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2022年2月6日のニュース