阪神・小幡 ランニング満弾で二遊間争い猛アピール 昨秋から磨いた「近本打法」の成果出た

[ 2022年2月6日 05:30 ]

紅白戦   白組4-2紅組 ※特別ルール ( 2022年2月6日    沖縄・宜野座 )

6回、阪神の小幡は走者一掃のランニング本塁打を放つ(撮影・大森 寛明)
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 二遊間争いで阪神・小幡が満点アピールだ。0―2の6回2死満塁。絶好機に“一発回答”した。右腕・小川の低め直球をとらえたライナー性の打球は、前進守備を敷いていた中堅・近本の頭上を越えた。打球が転々とする間に二塁、三塁、そして本塁まで…公式戦では過去8例しかない希少なランニング満塁本塁打を記録。驚きながらも笑みをこぼした。

 「真っすぐをしっかり仕留めたいなと思っていた。外野もすごく前に来ていたんで。いい感じでスイングすることができました」

 昨季は1、2軍を通して本塁打ゼロだった男が、離れ業をやってのけた。強化された打力に加え、俊足を兼ね備えるからこそ成せる一打だった。遊撃レギュラー最有力候補の中野は現在、2軍で別メニュー調整中。絶好のアピール機会で、これ以上ない結果を残したわけだ。矢野監督からも「中野も向こう(安芸に)行っているし、ショートは大いにチャンスがある。“僕ですよ”というアピールをしてくれるに越したことはない。いい内容のバッティングやった」と賛辞を引き出した。

 昨秋から、「近本打法」を参考に課題の打力強化に励んできた。特にタイミングを計るために右足を上げた際の「間(ま)」の長さを重視。今キャンプでも自らに最適なポイントを追い求め、汗を流している。その成果が出たことは、今後への弾みになりそうだ。

 初回の第1打席でも左腕・伊藤将から左翼線二塁打。この一打は今年の「12球団初安打」でもあった。「このチャンスをしっかり生かせるように」。手を伸ばせば届く“定位置”を、みすみす逃す手はない。 (長谷川 凡記)

 ○…プロ野球公式戦のランニング満塁本塁打は過去8本(1リーグ1本、セ2本、パ5本)あり、直近では小久保裕紀(ダイエー)が99年8月20日の日本ハム戦で記録。阪神の選手が打ったことはない。

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2022年2月6日のニュース