阪神・渡辺　近本&輝斬りで猛アピール!　ソフトバンクから育成入団　「左キラー」で支配下勝ち取る

紅白戦   白組4－2紅組　※特別ルール （ 2022年2月6日    沖縄・宜野座 ）

＜紅白戦＞1回を投げ無失点に抑えた阪神・渡辺（撮影・大森　寛明）
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　阪神・渡辺が左横手から繰り出したスライダーは初見とはいえ、昨季両リーグ最多178安打を放った近本でさえバットの芯に当てられなかった。初球ファウル、2球目は上っ面に当たり損ね、投前に力ないゴロが転がった。

　「とにかくストライクゾーンで勝負できたので、最初の実戦としては良かった。スライダーも質はまだまだだけど、最低限、投げきる場所に投げられた」

　これで「最低限」なら可能性は広がる。遠藤は直球で遊ゴロ。右打席に立ったロハスに右前打を許した後、藤浪から本塁打していた強打の佐藤輝に対しては内角ツーシームで詰まらせ、二ゴロに押し込んだ。1回を無失点、内野ゴロによる左打者3人斬りが光った。

　「しっかり左打者の内角に投げられた。（佐藤輝が）前の打席で打ったのは見ていたけど、自分のボールでストライクゾーンで勝負できれば…と。やりたいことはできた」

　昨秋にソフトバンクを自由契約になり、阪神へ。育成の立場で宜野座の1軍組に抜てきされた。青学大を卒業後にBC新潟に4年間在籍した末に念願のプロ入り。左肘故障もあってソフトバンクでは20～21年の計9試合の1軍登板に終わった。30歳での新天地。生き残りへ、一球たりとも無駄にしない。「一日一日ちょっとずつ積み重ね、支配下はもちろん、開幕1軍にいたいという思いがある」。会心の虎デビューも、まだ序章に過ぎない。