選抜出場の東洋大姫路 3月いっぱいで退任、藤田明彦監督の花道飾る覚悟 エース・森健人「最後いい形で」

[ 2022年2月6日 16:26 ]

選抜大会出場校の発表時、選手と共に決定の報告を聞いていた東洋大姫路・藤田明彦監督(左端)(撮影・亀井 直樹)
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 14年ぶり8度目の選抜大会出場を決めた東洋大姫路(兵庫)が初めての春の頂点を目指す。指揮を執って通算20年目となる藤田明彦監督(64)は3月いっぱいで退任。ナインは岡部虎尉主将(2年)を先頭に、一丸となって指揮官の花道を飾る覚悟だ。

 スポニチではYouTubeチャンネルの「スポニチ ドラフトチャンネル」で同校野球部の練習を取材。監督、主将、そしてエースの森健人投手(2年)をインタビューし、選抜大会にかける思いを聞いた。

 “最後の春”にかける意気込みは、特にない。通算20年目で、春夏合わせて6度目の聖地。3月いっぱいで退任する藤田監督は「感慨は特になくて、いつも通り、やっています」と笑った。

 監督は「いつも通り」でも、ナインの思いは違う。岡部虎尉主将は決意を口にする。

 「監督と1日でも長く、野球がしたいと思っています」

 昨年8月15日に監督の口から、翌春限りでの退任の事実を聞いた。翌日の緊急ミーティングで主将は「監督さんが最後になる。甲子園で指揮を執ってもらおう」と仲間を鼓舞した。一丸となったナインは兵庫大会3回戦で優勝候補の報徳学園を1―0で破ると、3位決定戦で明石商に3―2と競り勝って、近畿大会出場を決定。同大会では1回戦で昨夏準優勝の智弁学園(奈良)を下して8強に進出した。全員の力で選抜切符をもぎ取った。

 エースの思いも新ただ。昨秋公式戦は9試合のうち、6試合で完投。防御率1・44と抜群の安定感を誇る森健人は「僕は緩急の重要性を教えて頂きました」。最速140キロ超の直球を軸に、カーブなど多彩な変化球で打たせて取る。「最後をいい形で終えていただきたい」と表情を引き締める。

 指揮官は「集中力があるチーム」と勝負強さを長所としたうえで「最低でも3つ、勝ちたい」と力を込めた。過去5度の甲子園大会で最高成績は03年選抜大会の4強。3つの勝利を積み重ねた。集大成となる春。たくましい選手達とともに、山の頂点を目指して行く。

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