【新井さんが行く!】オリックスから感じる広島3連覇と同じにおい 昨季の成功体験でさらに自信に

[ 2022年2月6日 07:00 ]

<オリックス春季キャンプ> オリックス宮崎キャンプの視察に訪れた本紙評論家の新井貴浩氏(右) (撮影・後藤 大輝)
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 本紙評論家の新井貴浩氏(45)が春季キャンプを巡る「新井さんが行く~キャンプ編」。今春最初は宮崎市内のオリックスを訪ね、阪神時代チームメートだった能見篤史投手(42)とも再会した。

 オリックスは広島に似ているところがある…とずっと思っていた。昨季は25年ぶりに優勝。長く低迷した広島も同じ「25年ぶり優勝」だった16年を起点に18年まで3連覇することができた。オリックスにも同じような“黄金期”を迎える可能性を感じる。

 大エースの山本由伸を筆頭に力のある選手がたくさんいる。能見、平野佳らのベテランがいて、山岡や田嶋ら先発陣も充実している。ちょうど5日に宮崎に合流した宮城、紅林の同世代2人はオリックスだけでなく、これからの球界を担っていくような人材だ。

 成功体験が大きい。野球は負けたり、ミスして学ぶこともあるけど、勝って得られるものも多く、勝つことでしか見られない景色がある。特に昨季は独走したわけではない。最後の最後までもつれ、追い詰められた瞬間もあったと思う。苦しい中で諦めずに勝ちきった。凄く大きな自信になったはずだ。1試合の大切さ、ワンプレーの重み、1球の怖さ…。それらが成功体験として身についた。

 16年当時の広島も丸やキク(菊池涼)、(鈴木)誠也らが「優勝ってこんなにいいものなんだ」と実感し、「また優勝したい」と言い合っていた。勝つためにやるべきこと、やってはいけないことを肌で知り、道しるべとして共有できる。

 オリックスには身近な人も多い。ヘッドコーチの水本さん、打撃コーチの梵、それにブルペンでは能見にも会えた。「元気ですよ。体も大丈夫です」。安心した。決して表には出ようとはしないけど、チームのために黙々と努力できる選手だ。いまはコーチ兼任。若い投手陣に好影響を与えていることが分かる。現役で残るチームメートは少なくなってきた。能見には一年でも長くやってほしいな。

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2022年2月6日のニュース