阪神・矢野監督 恩師・ノムさんに感謝「確率の高いボヤキをたくさん聞けた。自分の感じる力になった」

[ 2021年12月12日 05:30 ]

野村克也氏をしのぶ会 ( 2021年12月11日    神宮 )

しのぶ会に出席した矢野監督(右)は原監督と話す

 阪神・矢野燿大監督(53)は恩師の遺影と向き合い、誰よりも間近で「ボヤキ」を聞いた日々を思い返していた。

 「監督の下で学びたくても学べない人も多くいる中で、学ばせてもらった。今、監督やらせてもらってるのもそのおかげですし、現役20年やれたのも、そのおかげだと思う。その感謝の気持ちと、やっぱり偉大さを感じています」

 会ではヤクルト・高津監督、巨人・原監督らと並んで最前列の席で故人をしのんだ。阪神の現役時代に師事した3年間、ベンチでは必ず隣に座り「ボヤキ」に耳をそばだてた。

 「“おい、次、走るぞ”と言うとランナーが走るし、“次、落ちる球じゃないか”というと落ちる球が来る。一番近くで一番ボヤキを、確率の高いボヤキをたくさん聞けた。それは本当に自分の感じる力になったかな…と思います」

 厳しさの中に優しさを感じたことも多い。「本当に僕も褒められたことはほぼなくて。1回だけ、長崎の試合でちょっと褒められたことがありまして。その1回が凄く印象に残っています」。当時は決して剛腕ぞろいと言えなかった投手陣を懸命にリード。「だから、おまえが成長できるんだぞ」と声をかけられたことが忘れられないという。

 今季は同じ野村門下生の高津監督が率いるヤクルトにわずか勝率5厘差で苦杯をなめさせられた。来年こそ…という質問には「当たり前やん」と即答。阪神のチームメートだった日本ハム・新庄監督とも就任してから対面し、「ホンマ、何十年たつんやろう…というぐらい。けど、普通に話した」と刺激をもらった。来季は単年契約で挑む就任4年目。天国へ報告することは、一つしかない。(山添 晴治)

 《偉大さ実感》阪神・嶌村聡球団本部長は一堂に会した顔ぶれを見渡し、「これだけの人が集まる」と偉大さを実感した。阪神、楽天監督の計7年間は広報として接し、名将が残した“参考書”はいまも道しるべ。「フロントとして人づくり、チーム作り、組織づくりを参考にしながら実践させてもらってる」。現在はチーム編成を預かる立場。「考え方が確立されている。理にかなっていて、愛情もある。次につなげていけたら」と継承を約束した。

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