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大谷翔平と過ごしたデンバーでの「信じられない経験」 ブラウン氏「次回は我々がチャンピオンに」

[ 2021年9月6日 08:30 ]

大谷との本塁打競争出場を振り返ったジェーソン・ブラウン・ブルペン捕手(撮影・柳原 直之)
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 笑顔が柔らかい。練習前には一人一人、選手やスタッフに必ず声を掛ける。一目見て伝わる、心優しい人柄だ。オールスター戦前日の本塁打競争でエンゼルス・大谷の打撃投手を務めたブルペン捕手のジェーソン・ブラウン氏。現在はこれまで通り、チームを陰で支えている。それでも、時折、あのデンバーでの興奮を思い出すという。

 「本当に名誉で光栄なことでした。翔平が私を指名してくれたことにはとても感謝しています。信じられないほどの経験をすることができました」

 7月12日、コロラド州デンバー。ロッキーズの本拠クアーズ・フィールドで行われた本塁打競争。大谷は第1シードとして1回戦の大トリで登場した。ナショナルズの主砲ソトと2度の延長戦を繰り広げた末、28―31で惜敗。ブラウン氏は「本番はすごく短く感じました。プレーオフ(延長戦)のボーナスラウンドもあっという間でした」と悔しそうな、ただ、どこか嬉しそうな表情で振り返った。

 本番前の屋内打撃練習。ブラウン氏は本番さながらの速いテンポを意識して投げたという。「本塁打競争のテンポは通常の打撃練習よりも速くなります。特に翔平は今季は屋外で打撃練習をしていないため、本番前はそこを意識しました」。本番では後半にかけてリズムがかみ合い、猛烈な追い上げを見せた。だが、10スイング目でようやく1本目の柵越えを記録したようにスタートダッシュに出遅れたことが最後まで響いてしまった。

 翌日のオールスター戦は実妹のジュリーさんとともにスタンドから、史上初めて「1番・投手&DH」で出場した大谷の雄姿を見届けた。「妹とも、この貴重な経験を共有することができました。私より彼女の方が緊張していたかもしれませんね」。46歳のブラウン氏は昨季からエ軍に加入。ヤンキース傘下マイナーでコーチを務めた15年以降は打撃投手も担った。18年には日米野球でMLBオールスターのスタッフとして来日した経験もある。昨春キャンプで大谷に投げる機会が多く、直々に指名されて大役を務めることに。一生忘れられない思い出となった。

 オールスター戦は多くの出場選手や関係者が大谷のサイン入りボールやユニホームをねだったことでも話題になったが、自身はサインをもらわなかった。「彼がいろいろな人にたくさんサインをしていたのを知っていたから、頼むことはしなかった。いつか欲しいとお願いするかもしれないけどね」。選手が主役の真夏の祭典。公式戦ではないとはいえ、大谷のコンディションを一番に気遣った。こんな優しさも、指名された一因なのだろう。

 「次回もチャンスがあれば、翔平がもう一度、私を指名してくれれば、光栄に思います。もう一度、投げたいです。そして次回は我々がチャンピオンになります」。来年の球宴の舞台はエンゼルスタジアムからほど近いドジャースタジアム。大谷と、捕手役の水原通訳、そしてブラウン氏のトリオによるリベンジを楽しみに待ちたい。(記者コラム・柳原 直之)

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