ソフトB・リチャード「人生で一番集中」 プロ1号は逆転満弾&おかわり2発 王会長「華々しいスタート」

[ 2021年9月6日 05:30 ]

パ・リーグ   ソフトバンク12-4オリックス ( 2021年9月5日    ペイペイD )

<ソ・オ20>4回1死満塁、満塁本塁打を放ったリチャードは「どすこいポーズ」を決める(撮影・岡田 丈靖) 
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 ソフトバンクの育成出身4年目、リチャード内野手(22)が5日のオリックス戦で、4回にプロ1号の逆転満塁ホームランを放った。2回にはプロ初打点の中犠飛、7回には2号ソロと、計6打点の大暴れだ。球団でプロ初アーチが満塁弾だったのは17年の甲斐拓也捕手(28)以来9人目。自力V消滅を再び回避し、今季初の2戦連続2桁得点で2連勝。オリックスに代わって首位に浮上したロッテを4ゲーム差で追撃する。

 沖縄出身の若き大砲は、絶叫交じりでダイヤモンドを1周した。「うわー!よっしゃー」。ベンチ前に戻ると、初本塁打で「やる」と決めていた同郷の西武・山川の「どすこいポーズ」をとっさにまねて披露した。

 「これ以上ない場面で回ってきて、人生で一番、集中しました。“打っちゃったよ!”という感じ。この球場で本塁打を打つのは夢だった。きょうだけ余韻に浸ろうと思います」

 1―2の4回1死満塁。増井のフルカウントからの8球目、真ん中直球を振り抜くと同時に手応えあり。左中間スタンドに吸い込まれる前に確信した。

 プロ1号でのグランドスラムは甲斐や上林など球団9人目。外国人選手を除くと6人目だが、これで終わらないのがリチャード。6点リードの7回、バルガスの152キロ内角直球に腕をたたんでスイング。大飛球は、左翼スタンドへの2号ソロ。「変な打ち方になったが、ポイントが良かったので良かったって感じです」。初満弾後の“おかわり本塁打”は、球団では07年3月31日ロッテ戦でのブキャナン以来だ。

 2日の楽天戦で初めて1軍に昇格し、重圧で公称119キロの体重は4、5キロ減ったらしい。それでも飛距離と集中力に影響はない。前日にプロ初安打を放ち、この日はスタメン3試合目だった。2回の1打席目ではプロ初打点の中犠飛も打ち、1人で6打点を稼いだ。

 「本塁打と言えば王さん」と尊敬する王会長も視察し、「華々しいスタートだね。もともとの長打力は、みんな期待して求めていたもの。プロでは打ったもんが勝ちだ。あそこで打ったリチャードは大したもの」と称えた。工藤監督も「本塁打、打つかなという雰囲気もあった。パワーある6打点、大したもんです。いい階段の上り方をしている」と大喜びした。

 今季チーム初の満弾が生まれ、2戦連続2桁得点と猛攻で2連勝。引き分けでも自力Vが消滅する一戦で6カードぶりの勝ち越しを決め貯金1。指揮官は「乗れそうで乗れないところがあって。みんな“ここからだ”という気持ちが出てきたのがきょうじゃないかな。これを長く長く続けられるように」と願った。(井上 満夫)

 《“初アーチ満弾”は球団では17年甲斐以来》リチャード(ソ)が4回のプロ入り1号の満塁弾を含む2発。プロ初アーチが満塁弾は今季5月4日DeNA戦の根尾(中)以来プロ野球88人目。チームでは17年5月2日西武戦での甲斐以来9人目で逆転満塁弾も甲斐に次ぎ球団史上4人目。プロ1号が満塁弾となった試合にマルチ本塁打は07年ブキャナン(ソ)以来でプロ野球9人目。

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