東海大野球部で大麻 無期限活動停止 OB・巨人原監督「大変ショック」

[ 2020年10月18日 05:30 ]

東海大硬式野球部の不祥事を謝罪する(左から)硬式野球部・伊藤栄治部長、山田清志学長、教学部・内山秀一部長(撮影・島崎忠彦)
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 大学球界の名門、東海大硬式野球部の複数の部員が寮内で大麻の疑いがある薬物を使用していたことが判明し東海大が17日、同部を無期限活動停止としたと発表した。神奈川県警が部員から事情聴取し、16日に大麻取締法違反容疑で寮を家宅捜索。当該部員も薬物使用を認めているという。全日本大学野球選手権でも4度の優勝を果たした名門で起きた不祥事に、球界には激震が走った。

 神奈川県平塚市の湘南キャンパスで、午後1時から始まった緊急記者会見。山田清志学長と伊藤栄治硬式野球部長らが出席し「心よりおわび申し上げる」と謝罪した。

 大学側によると9日に、部員が薬物を使用している疑いがあるとの通報が電話で寄せられた。神奈川県警平塚署に相談し、調査を開始。一部の部員が使用を認め、大学側の調査には「興味本位で大麻を使用した」と話しているという。

 同野球部は部員計128人のうち110人が、グラウンドに併設された3階建てと2階建ての寮2棟に分かれて生活。このうちの1棟にある4人部屋で薬物を使用したという。県警の家宅捜索で、室内から薬物を使用したとみられる痕跡が見つかったことも関係者への取材で判明。県警は採取した微量な物質の鑑定を進めている。

 野球部はコロナ禍で、4月下旬から7月上旬まで寮を閉鎖して活動を自粛。7月上旬の活動再開後、週末以外の行動範囲も制限されていたという。

 大学は調査結果をまとめ次第、使用した部員や監督らの処分を決める方針。だが、学生野球では前代未聞の事件に厳しい措置がとられる可能性が浮上。今後、東海大の報告を首都大学野球連盟が全日本大学野球連盟に提出。審議委員会を経て、日本学生野球協会審査室会議に上申される。近年、不祥事案件については連帯責任を問うことは少なくなっているが、同協会は寮内、集団での使用を問題視。部として長期間の対外試合禁止などの処分が下される可能性がある。

 数々のプロ野球選手も輩出した名門野球部。当該部員が、興味本位とした行為の代償はあまりにも重いものといえる。

 ▼巨人原監督(80年度卒)詳しい状況は分かりませんが、本当であれば絶対にあってはいけないことです。母校でこのようなことが起き、大変ショックです。

 ▼日本学生野球協会内藤雅之常務理事 大学野球部員が、違法薬物関連で不祥事件を起こしたことは初めてかと思う。非常に驚いている。日本学生野球憲章では法令順守をうたっており、順守は当然のことで事実なら残念。原点に立ち返り、各校の指導者は襟を正して指導してほしい。

 ▽東海大硬式野球部 1964年に創部、首都大学リーグに所属し、同リーグトップの優勝73度、明治神宮大会優勝3度など全国優勝を計7度果たした名門。創部当初は東都大学野球連盟に属していたが、現在の首都大学リーグの発足を主導したとされる。グラウンドと合宿所の所在地は神奈川県平塚市土屋。部員128人のうち110人が寮で生活。伊藤栄治部長、安藤強監督。

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