ドラフト「隠し玉」北九州市立大・益田 公立一筋、最速152キロ、爆発力は阪神・中田以上

[ 2020年10月18日 06:00 ]

ドラフト「隠し玉」 ハンター菊地選手の発掘ナイン

北九州市立大・益田武尚
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 【北九州市立大・益田武尚投手 22歳】今回紹介する益田は、ドラフト候補としては珍しい小中高大と「公立校ルート」を歩み続ける右腕です。

 九州で知名度はありますが、全国大会出場がないため中央球界では無名の存在。九州に住んでいない限り、なかなか生で見られないレアな投手なのです。

 しかし実力は本物。九州の大学No・1右腕と言っても過言ではありません。最速152キロの快速球と、多彩な変化球が持ち味。北九州市大OBの中田賢一投手(阪神)も指導した徳永政夫監督(64)は「ボールの爆発力なら益田が上」と評価するほどです。

 中学、高校と故障がちだった益田でしたが大学入学後、宗広大志トレーナーと出会い治療と体幹のトレーニングを教わったことで、腰のケガが完治。1日6時間のトレーニングを重ねて急成長を遂げました。

 私が取材した今月のリーグ戦は本調子でなく直球が走っていませんでした。それでもスライダー、カットボール、スプリット、チェンジアップ、ツーシームと他の球種で補う、引き出しの多さが印象に残りました。本人は「持ち味の速球がどこまで通用するか挑戦したい」と直球へのこだわりを口にしますが、この総合力は将来大きな武器になるはず。プロでは美馬学投手(ロッテ)のようなタイプになるかもしれません。直球が本来の爆発力を取り戻したら、即戦力にもなりうる存在ではないでしょうか。

 父・和毅さんは、赴任する公立高校を強くしていくことで知られており、現在は嘉穂東野球部監督。益田は「もし嘉穂の受験に失敗したら、父の野球部でやりたかった」と話していました。なお、くっきり二重の端正な顔立ちはお母さん似なのだそうです。

 趣味は「釣りに行きたいのですが、つい寝てしまう」とものぐさな一面も見せてくれた益田。海が近い球団に入団できることを陰ながら祈っています。(フリーライター)

 ◆益田 武尚(ますだ・たけひさ)1998年(平10)10月6日生まれ、福岡県飯塚市出身の22歳。嘉穂時代も最速145キロを投げて注目される。北九州市大3年秋に九州六大学リーグで優勝してMVP。直球の最速は152キロ。1メートル76、87キロ。右投げ右打ち。

 ◆菊地選手(きくちせんしゅ)1982年(昭57)生まれ。本名・菊地高弘。雑誌「野球小僧」「野球太郎」の編集部員を経て、2015年4月からフリーライターに。ドラフト候補の取材をメインに活動し、ツイッター上で「大谷翔平」とツイートした最初の人物(2010年10月8日)。野球部員の生態を分析する「野球部研究家」としても活動しつつ、さまざまな媒体で選手視点からの記事を寄稿している。著書にあるある本の元祖「野球部あるある」(集英社)などがある。ツイッターアカウント:@kikuchiplayer

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