阪神投手陣最年長、41歳の能見 鮮やか火消しで340日ぶり勝利 

[ 2020年7月20日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神11―3中日 ( 2020年7月19日    甲子園 )

<神・中>5回2死一、二塁、ピンチに登板した能見は京田から三振を奪う(撮影・大森 寛明)
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 阪神は福留とともにベテランの快投が、勝利を呼んだ。3番手で登板した阪神・能見が、好リリーフで昨年8月14日以来、340日ぶりとなる白星。41歳での初勝利には、チームへの献身がにじんだ。

 「低くというのは意識してたので」

 3点リードの5回2死一、二塁。小川の招いたピンチでバトンを受けた。京田を2球で追い込むと、3球勝負を挑みフォークで空振り三振。幾度となく難敵に空を切らせてきた「宝刀」を信じて大きなアウトを奪った。

 6回の続投も決まっていたため、5回には18年5月11日の広島戦以来、800日ぶりとなる打席にも立った。「振ろうと思ったけど、振れなかった」。見逃し三振に倒れても、久々の「打者・能見」に聖地は沸いた。

 6回も2死を奪い、1回1安打無無失点で馬場に後を託した。6月30日には1死しか取れず4失点を喫した中日相手にリベンジし「やられたらやり返すというところ」とうなずいた。

 静寂の空間で息を整えながら腕を振る姿に、プロ16年目の知恵と生き様が映る。今春キャンプでは、投手陣がブルペン入りするタイミングでなく、一人の時間を選んで連日、マウンドに上がった。“空白の時間”に行っていたのは、サブグラウンドでの走り込み。その意図は明確だった。

 「投げる前に走ってるから。体が元気な状態で球数を投げても意味はない。体がしんどい、疲れてる状態で投げないと」

 たっぷりと汗を流し、体に負荷をかけた状態で投げることで肉体が“反応”するという。「(疲れて)体が連動しないから、体が勝手に対応しようとして覚える」。故障のリスクもある中、あえて“ムチ”を打つ。「体を甘やかしたらあかん。楽な方にいくから」。攻めの姿勢でプロ生活を歩んできた。

 「(ファンには)感謝しながら、いつも後押ししてもらっているので。打たれた分は取り戻さないといけないですし、一つ一つみんなでできたら」。若さあふれる声で言った。(遠藤 礼)

 ≪41歳1カ月の勝利≫能見(神)の勝利は昨年8月14日の中日戦(ナゴヤドーム)で救援勝利して以来340日ぶり。41歳1カ月の勝利で、最年長42歳2カ月の山井(中)はじめ、現在40歳以上の投手5人の中では今季初勝利。5回には18年の救援転向後では初の打席に立った。最後の先発登板だった18年5月11日広島戦(マツダ)2回の空振り三振以来で800日、登板101試合ぶりだった。

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2020年7月20日のニュース