常総学院“木内イズム”教え子対決で快勝 二本柱・菊地&一條が自己最速更新

[ 2020年7月20日 05:30 ]

茨城大会2回戦   常総学院6―0取手二 ( 2020年7月19日    J:COMスタジアム土浦 )

<常総学院・取手二>自己最速の152キロを投じた常総学院・菊地(撮影:柳内遼平)
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 各都道府県が独自に行う代替大会は19日、西東京大会が開幕するなど、全国で368試合が行われた。茨城では、84年夏に全国制覇した取手二と03年夏の甲子園を制した常総学院が夏の大会で初めてとなる対戦。常総学院が一條力真、菊地竜雅両投手(ともに3年)らの継投で6―0と快勝した。常総学院・佐々木力監督(54)、取手二・後藤賢監督(60)はともに取手二OBで、木内幸男氏(89)の教え子対決だった。

 5回だった。1メートル89の長身から柔らかい投球フォームで繰り出された直球は148キロと表示された。先発した一條は8回途中まで1安打に抑えた。「直球(の制球)はバラけていたが、変化球が凄く良かった」。自己最速を2キロ更新する直球にスプリットやカーブで緩急をつけ、9三振を奪った。

 今年3月に就任した島田直也投手コーチの指導を受け、最速は5キロアップした。島田コーチは同校で87年夏の甲子園準優勝に貢献し、日本ハムなどでプレー後にDeNAなどでコーチを務めた。「体重移動を教わって、制球が良くなりました。ヒップファーストの徹底が試合でもできるようになって、直球の球威、制球が上がりました」と話した。

 特別な試合だった。佐々木力監督は84年取手二の正二塁手として全国制覇。取手二、常総学院で全国制覇を果たした木内幸男監督の後を継ぎ、常総学院の監督に就任した。「(取手二の)ブルーのユニホームが自分も着てしまいたいくらい鮮やかに見え、すがすがしい気持ちで試合をさせてもらいました」。対する取手二の後藤賢監督も77、78年夏の甲子園に出場。木内イズムを継承した「教え子対決」でもあった。

 試合は常総学院が大勝した。9回2死から一條とエースを争ってきた菊地も登板し、自己最速を2キロ更新する152キロを投じた。一條も菊地も大学進学を希望している。

 一條は「(152キロの)菊地に負けられない。次は150キロを目指したいです」と話した。高校野球には歴史があり、指導者にも、選手にも、切磋琢磨(せっさたくま)するライバルがいる。特別な夏。両校の選手に涙はなかった。 (柳内 遼平)

 ▼木内幸男氏(84年に取手二、03年に常総学院を率いて夏の甲子園全国制覇。取手市内の自宅でテレビ観戦)身内同士の対戦だったけど、みんな喜んでたね。常総学院は2桁背番号の選手を多く使い、今までチームに貢献してきた3年生にいい恩返しをさせた。それも佐々木監督の思いやり。取手二も後藤監督がチームをよくまとめてあるなと思った。ただ、相手が常総という意識があったね。甲子園にはつながらないので、どう見たらいいか分からなかったけど、試合としては良かったね。

 ◆菊地 竜雅(きくち・りゅうが)2002年(平14)12月8日生まれ、茨城県出身の17歳。けやき台中時代は取手シニアでプレーし、全国大会16強。常総学院では1年夏からベンチ入り。1メートル82、89キロ。右投げ右打ち。

 ◆一條 力真(いちじょう・りきま)2003年(平15)2月10日生まれ、茨城県出身の17歳。石岡中では軟式野球部に所属し、オール県南に選抜。常総学院では1年秋からベンチ入り。1メートル89、83キロ。右投げ、左打ち。

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