日本ハム・ドラ1河野 4度目登板でうれしいプロ初勝利「ここから勝ち続けたい」

[ 2020年7月20日 05:30 ]

パ・リーグ   日本ハム9―2ロッテ ( 2020年7月19日    札幌D )

<日・ロ>ウィニングボールを手に栗山監督(右)と写真に納まる河野(左)(撮影・高橋茂夫)
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 悲願の初勝利だ。日本ハムのドラフト1位・河野竜生投手(22)が19日、ロッテ戦に先発し、プロ入り後最長の8回126球を投げて4安打2失点、7奪三振。即戦力左腕が4度目の登板でついにプロ初勝利を手に入れた。打線も今季初の先発全員の14安打9得点の猛攻で新人左腕を援護。投打ががっちりかみ合って最下位脱出に成功した。

 まばゆいほどの無数のフラッシュが河野の顔を照らす。自身初の札幌ドームでの有観客試合。お立ち台でウイニングボールを披露すると、4222人の地元ファンから大きな拍手が送られた。

 「何としても札幌ドームで勝ちたかった。(記念球は)ここまで成長させてくれた両親に渡したい。(ファンも)ストライクを取るたびに、またカウントが悪くなっても本当に大きな拍手をいただいた。モチベーションとしてもいい状態で投げられた」

 プロ入り後最速の147キロをマーク。「軸となる直球が良かった」と140キロ台中盤の直球に、100キロ台のカーブも前回登板の11・4%から13・5%と割合を増やして約40キロの緩急で幻惑した。栗山監督が「8回がゼロだったら(9回も)行かせようとしていた」と称えた好投。完封目前の8回に2失点し、「正直一人で投げきりたかった」と悔しがったが、チームを勢いづける快投だった。

 好投の要因は父・幸政さん(50)の助言だった。5日のソフトバンク戦で九鬼に内角を突ききれず本塁打されたことに「(ストライクを)取りにいっている。もっとスピンをかけて投げきった方がいい」と指摘された。徳島・生光学園でプレーした父とは、小学生時代は監督と選手の間柄。小学生時代は「お山の大将で自分が良ければいいという考えではチームは勝てないぞ」と説いてくれた父に「僕のことを一番知ってくれている」と感謝した。

 母・飛鳥さんの49歳の誕生日だった5月29日には兄・祐斗さん(24)と相談し、母が欲しがっていたスニーカーをプレゼントした孝行息子。しかし、この日の初勝利が両親にとっては最高のプレゼントとなったに違いない。

 負けん気の強さから河野を「やんちゃ丸」と表現した栗山監督は「(エンゼルスの大谷)翔平もやろうとするイメージを体現できたけど、(河野も)やろうとしていることが体現できる」とセンスを認める。2戦連続で7イニング以上を投げ、タフさもアピールした左腕の目標は2桁勝利と新人王。「ここから勝ち続けたい」。苦戦が続くチームに明るい光が差し込んだ。(東尾 洋樹)

 ◆河野 竜生(かわの・りゅうせい)1998年(平10)5月30日生まれ、徳島県鳴門市出身の22歳。鳴門では1年夏からベンチ入り。3年連続で夏の甲子園に出場し、3年時に8強。JFE西日本では18年の日本選手権で2完封など準優勝に貢献した。19年ドラフト1位で日本ハム入団。1メートル74、82キロ。左投げ左打ち。

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