“杉谷いじり”の鈴木あずささんに感じた野球愛 レジェンドとのマル秘交流も

[ 2020年7月20日 09:00 ]

ウグイス嬢の鈴木あずささん。「はちみつ100%のキャンデー」は欠かせない
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 「おひとつどうぞ」。そう言って、のど飴を手渡された。声の主はメットライフドームで場内アナウンスを担当する鈴木あずささん。日本ハム戦での“杉谷いじり”で野球ファンの間では知られた存在だ。前述の「のど飴」は扇雀飴本舗の「はちみつ100%のキャンデー」。数年前、のどの調子がよくなかったときにいろいろと試し、行き着いた一品。今では、常にポケットに忍ばせ、「これが一番よくなった。絶え間なくなめています。今も家に10袋ぐらい。見つけたらまとめて買っています」と最高のパフォーマンスを引き出す相棒となっている。

 開幕から1カ月が経ったプロ野球。10日からは上限5000人ながら球場にファンが帰ってきた。西武の本拠地メットライフドームでは21日から有観客での試合が開催される。「8回ぐらいにお客様の声援があるのとないのでは、モチベーションが違います。今まで“お客様も含めてプロ野球”だと思ってやってきたので、無観客の間はピースが一つ足りないという感覚でした」と鈴木さん。

 今年は新たな思いで試合に臨んでいる。昨年、オフの日を利用して他球場の試合を観戦。「ただただ、プロ野球が好きだった頃の思いを取り戻したかったんです」と数年ぶりに座った観客席で、「運営側にくると忘れてしまう部分がある。(球場に来る日は)お客さんにとっては特別な日。一生に一度しか見られない貴重な時間なんだ」と再確認した。

 04年5月から1軍のアナウンスを担当。様々な出会いがある中で良き相談相手もいる。ZOZOマリンで場内アナウンスを担当する谷保恵美さんだ。「サブローーーーー」の長尺コールで知られ、昨年7月30日のロッテ│オリックスで1軍公式戦での担当試合数が1800試合に到達した場内アナウンス界のレジェンドだ。同じ北海道出身で今年1月にはラジオ番組で共演し、「ランチに行きましょう」という数年越しの約束が実現。「こういう時はどうしていますか」と相談するなど、貴重な時間となった。

 実は、今シーズンも様々な球場へ行き、アナウンスや演出を見て回ることを考えていたが、コロナ禍で難しくなった。それでも開幕が遅れ、野球から離れた数カ月で感じたことがある。「こういう仕事ができているのは思いの外、恵まれているのかな…」。そして「やっぱりパ・リーグは面白い」。底知れぬ野球愛で、これからもプロ野球を支えていく。(記者コラム・花里 雄太)

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2020年7月20日のニュース