広島・今村、今季初登板で2K零封 救援陣に救世主 4連敗も光

[ 2019年7月4日 05:30 ]

セ・リーグ   広島2―6ヤクルト ( 2019年7月3日    マツダ )

9回に登板した今村は3者凡退に抑える (撮影・奥 調)
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 広島・今村猛投手(28)は3日のヤクルト戦で、4点劣勢の9回に今季初登板し、1イニング2奪三振の3者凡退に抑えた。この日、左肘の違和感で登録を抹消された中村恭と入れ替わっての昇格。中崎の昇格も球宴後が決定的な中で、貴重な右腕が帰って来た。試合は来日初先発のローレンスが5回6失点。引き分けを挟んで今季3度目の4連敗。首位・巨人と5ゲーム差に引き離されたが、総力戦で苦境を打破してみせる。 

 今村の復活を信じる思いは、敗色濃厚の展開で起きた大声援に表れていた。4点劣勢の9回、中軸3人と対戦する絶好のアピール機会が今季の初登板だった。先頭の青木は、直球3球でカウント1―2と追い込んで、スライダーで二ゴロに抑えた。満塁弾を放っていた村上にはカウント2―2から、この日最速に並ぶ146キロの直球で空振り三振。続く中山には、1―2からのスライダーで2者連続の空振り三振として、表情を変えずにベンチへ引き揚げる鉄腕が帰ってきた。

 「いい緊張感の中で、いい結果になったと思う。(直球は)まずまず。どんな展開でも投げるだけ。負けからでも、逆転できるように投げないといけない」

 キレのある直球と縦スライダーを織り交ぜて翻弄(ほんろう)する姿は本領に近く、緒方監督も「2軍で頑張ってきて、こういうチャンスが巡ってきた。必死にアピールしてほしい」と評価した。佐々岡投手コーチも「実績のある投手。結果を出してほしい」と期待を込めた。

 盤石だった救援陣にほころびが見え始めていた。「7回の男」を担っていた中村恭は、左肘の違和感を訴えたとみられて3日に登録を抹消された。中崎の昇格は、早くても球宴後だ。「勝利の方程式」について佐々岡投手コーチは、「一岡や遠藤。調子のいい投手を使っていく」と思い描くように、若手も含めた総力戦で乗り越えるしかない。

 そんな試練を救うべく16年、17年と2シーズン連続で60試合登板の経験を持つ鉄腕が満を持しての昇格。当面は劣勢の場面での登板でも、実績十分の右腕が加わる意味は大きい。

 チームは、今季3度目となる引き分けを挟んでの4連敗。首位・巨人とは5ゲーム差と背中は遠のいていく。この日も5安打2得点と打線は低調。今こそ、劣勢から勝利を拾おうとする救援陣の存在が必要だ。 (河合 洋介)

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2019年7月4日のニュース