阪神・近本、途中出場で激走V生還 指揮官は先発復帰明言

[ 2019年7月4日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神4―3DeNA ( 2019年7月3日    横浜 )

11回、糸原の右犠飛で、本塁に滑り込んで生還した近本(撮影・坂田 高浩)
Photo By スポニチ

 悔しさを押し殺し、ベンチで試合を盛り上げてきた前夜の阪神1、2番コンビが、意地で決勝点を生み出した。3―3で迎えた延長11回。大幅な攻撃陣のテコ入れもあり先発を外れ8回の守備から途中出場していた近本が、先頭で武藤の外角高めストレートを強振。左中間を真っ二つに破ると、桑原の返球がそれる間に三塁を陥れた。

 「センターがもたついていたのと、カットマン(遊撃手)の位置を確認した時にセンターが投げたので、行けるところまで行こうと思っていました」

 冷静かつ攻めの姿勢で生まれた無死三塁という絶好のチャンス。打席には同じくベンチスタートで8回から出場していた糸原だ。カウント2―2から落ちるボールに食らいつき、右翼に飛球を打ち上げた。「当たったら何か起きると思って。追い込まれていたけど食らいつきました」。捕球は定位置でも弾道が低く送球に移行しやすい打球だった。それでも、近本は本塁突入という攻めに出た。

 乙坂からショートバウンドでのストライク送球が来たが、鋭いスライディングと嶺井のミットが交錯してボールがこぼれ落ちた。念願の1点を最大の武器である快足でもぎ取った。

 「(三塁コーチャーの)藤本さんが“いけ!いけ!”と言っていたので勝負しました」

 近本は4月20日の巨人戦から続けた先発出場が途切れた。糸原は5月31日広島戦以来のベンチスタートだった。近本は「チームに迷惑をかけていた。出場のチャンスをいただけたら勝ちにつながるプレーがしたいと思っていた」と振り返り、糸原は「スタメンだろうとスタメンじゃなかろうと、やることは変わらない」とクールに言った。試合後、矢野監督は近本について「明日、使うよ」と、4日の同戦での先発復帰を明言した。

 一日で屈辱を晴らした2人。猛虎再浮上のキーマンであることは言うまでもない。(巻木 周平)

続きを表示

2019年7月4日のニュース