ヤクルト村上、20号満弾!高卒2年目史上5人目 ゴジラ超え78試合で到達

[ 2019年7月4日 05:30 ]

セ・リーグ   ヤクルト6―2広島 ( 2019年7月3日    マツダ )

5回2死満塁、村上は右越えに満塁本塁打を放つ (撮影・奥 調)
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 ヤクルトの村上宗隆内野手(19)が3日、広島戦に「4番・一塁」で出場し、5回にプロ初となる満塁本塁打を右翼席へ運んだ。高卒2年目では94年の松井秀喜(巨人)以来、史上5人目となる20号到達で、左打者では史上最年少でのグランドスラム。日米通算507本塁打をマークした希代のスラッガーは130試合で大台に乗せたが、そんな「ゴジラ」のスピードをはるかに上回る78試合での快挙だった。

 走者3人の出迎えを受けてホームを踏んだ村上は、短く雄叫びを上げた。5回だ。青木の押し出し四球でリードは2点に広がった。なおも2死満塁、ローレンスの内角低めのツーシームを右翼席へ運んだ。

 「コンパクトに強い打球を打つことを心掛けた。前の打者がつないでくれたチャンス。何とかもう1点でも取りたかった」

 19歳5カ月で自身初の満塁弾は、巨人・坂本勇に次ぐ年少記録。左打者では史上最年少となった。高卒2年目での20発は松井秀喜以来の快挙。「ワールドシリーズでMVPになった時はニュース番組で見ていた。(巨人時代は)東京ドームの看板にバンバン当てていた印象」。熊本の小学生の脳裏に焼き付いた55番の記憶。同じ左の大砲として、球団とファンの期待を背負い、同じ番号をつけた。

 1位で指名された17年のドラフト後には「いずれは自分の背番号と言われるようにしたい」と豪語。今では「肩を並べるほどの実力じゃない。もっと練習して頑張りたい」と謙虚だが、今季78試合でレジェンドに並んだ。

 巨人・岡本のトレーニング法を取り入れたことがある。バットを2握り短く持ってのティー打撃。侍ジャパンで親交のある先輩の練習法を、テレビで知った石井打撃コーチが実践させた。短く持つと遠心力を使えない。上半身と下半身の連動を意識し、体全体で回ることが狙いだった。1メートル88、97キロの巨体に秘められたパワーを、余すことなくボールに伝える技を身に付けた。

 8試合ぶりのアーチだった。不調を自覚し、前夜は宿舎でトップの位置、左肩の使い方、始動のタイミングなどをチェックした。初回に中前適時打を放つと、満塁弾と合わせて自己最多5打点。リーグトップの61打点まで伸ばした。

 チームは5月11、12日の巨人戦以来、約2カ月ぶりの2連勝。15カードぶりの勝ち越しに貢献し、小川監督も「マークされる状況で打てるのは素晴らしい」と目を細めた。それでも村上は「僕のせいで負けた試合もある。守備もそうだし、打率も・230ではダメ」と言った。あくまでも謙虚に。19歳の4番はチームのためにバットを振る。(黒野 有仁)

 ≪球団55年ぶり10代満弾≫19歳5カ月の村上(ヤ)が自身初の満塁弾。10代の満塁本塁打は史上15人目で17本目。チームでは国鉄時代の64年高山忠克(19歳10カ月で2本)以来55年ぶり2人目で3本目だ。また、プロ野球の最年少満塁弾は56年米田哲也(阪急)の18歳1カ月。村上は年少7位タイ(セ2位)だが、左打者では13年高橋周(中)の19歳6カ月を抜く史上最年少記録になった。

 ≪中西に次ぐ速さ≫2リーグ制以降、高卒2年以内にシーズン20本塁打以上は、53年中西太(西鉄)の36本を筆頭に史上5人目で6度目。うち、左打者では94年松井秀喜(巨=20本)に並ぶ最多本数になった。また、チーム78試合目での20号到達は、前記中西の77試合に次ぐ2番目の速さ。

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2019年7月4日のニュース