ハム西川、通算200盗塁達成 歴代トップ成功率・866

[ 2018年6月2日 05:30 ]

交流戦   日本ハム13―2中日 ( 2018年6月1日    札幌D )

2回、西川は通算200盗塁を達成し記念ボードを掲げる(撮影・高橋茂夫)
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 日本ハムの西川遥輝外野手(26)が1日、中日戦でプロ野球史上75人目の通算200盗塁を達成した。2回無死二、三塁から9試合連続安打とする中前2点打を放つと、次打者の2球目に二盗に成功。成功率・866は、200盗塁以上の選手では広瀬叔功(南海)の・829を大きく上回る歴代トップとなった。球界屈指のスピードスターが、プロ野球史に名を刻んだ。

 200盗塁を期待するプラカードが揺れるスタンド。「あと一つ」。2回、その期待に応え、西川がアンツーカーにかけた左足を力強く蹴った。捕手・松井雅の送球は一塁側へそれ、低いスライディングで二塁ベースへ到達した。クールな表情でスコアボードを掲げると、感謝のお辞儀を繰り返した。

 「“幻の200盗塁”があったおかげで、札幌で200盗塁を決めることができて本当にうれしい。もっと本塁打や安打を打ちたいけど、それは自分のスタイルじゃない。自分の理想に近づけるようにやっていきたい」

 5月30日の巨人戦(東京ドーム)。3点を追う9回1死二塁から三盗を試みてセーフになった。場内の大型ビジョンには「西川選手通算200盗塁」と表示されたが、巨人の内野陣が無警戒だったため公式記録は「野手選択による進塁」として盗塁は認められず、この日が正真正銘の大台到達となった。

 西川にとって、盗塁の流儀は「アウトにならないこと」。これは歴代トップの成功率・866に表れる。14、17年と2度の盗塁王に輝いた西川には当然マークが厳しくなる。そのため「無理して行く必要はない」と相手バッテリーに重圧をかけ、打者に甘い球が行くことを狙う。「打者有利のカウントでは行かない」「早いカウントでスタートを切る」など、ただ盗塁数を増やすのではなく、打者のことを考えた上で積み上げてきた数字だ。この日の13得点も西川の盗塁が呼び水となり、川名外野守備・走塁コーチも「相手のミス待ちで走る選手は多いけど、遥輝は効果的な盗塁が多い。いかに確率よく走るかを考えている」と称える。

 西川は思い出の盗塁に、プロ2年目の12年4月1日の西武戦(札幌ドーム)で代走出場して決めたプロ初盗塁を挙げた。「一つ目が印象深い。スタートを切ったなという感じがした」。代走要員だった12年から7年かけて200盗塁。今後へ向けて「500盗塁できるように目指していきたい」と宣言した。今年、エンゼルスに移籍した大谷に代わるチームの顔ともなったスピードスターは、勝利のためにダイヤモンドを疾走する。(東尾 洋樹)

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2018年6月2日のニュース