西武・菊池が示した投手のマウスピース効果 歯のかみ合わせをミクロ単位で調整

[ 2017年8月1日 10:45 ]

西武・菊池
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 ボクシングや格闘技の世界で見られるマウスピースが球界にも広がっている。ただ、投手は野手に比べてつけている選手が少ない。西武・菊池は今年から透明色のマウスピースを着用してマウンドに上がっている。「つけないで投げるのとは全然違いますね。力まなくなって、体に余計な力が入らなくなる。後輩にも薦めようと思っています」。

 都内にある歯科クリニックの松浦敦院長(43)は「日本人の8割以上は歯のかみ合わせに問題を抱えています。マウスピースは外傷予防だけではありません。歯のかみ合わせの補正に最適なのです」と効果を口にする。かつて高校球児で、歯科医師歴18年目。いろいろな競技の選手の歯を診てきた。理学療法士やカイロプラクティックと意見交換し、歯のかみ合わせが悪いことが故障の原因だったケースも少なくなかったという。

 歯のかみ合わせが悪いことで支障をきたすのは歯だけでない。頸椎に負担が掛かり、首の可動域が狭くなる。1年間で計何千球も投げる投手は、その影響が顕著に出るという。フォームを崩し、肩や肘も痛める悪循環に陥るという。

 松浦院長が菊池を初めて診察したのは昨年12月だった。「歯のかみ合わせが悪くて、よくあれだけの球が投げられるなと思った。首が左に回らないから、右足を上げたときに左足に重心が乗り切らず、右肩の開きが早いように感じました」。

 身体にかかる余計な緊張を取り除くため、かみ合わせに必要ない部分をミクロ単位で磨いたり削る調整。約30分間で痛みもないという。Jリーグ横浜F・マリノスのMF・斎藤学、水泳の自由形でリオデジャネイロ五輪に出場した塩浦慎理も松浦院長が歯のかみ合わせの調整を行い、個々の歯形に合わせて作られたマウスピースを着用している。菊池は「今までもマウスピースは試したんです。でも合わなくて…。今は疲れを感じない。呼吸も全然苦しくないです」と効果を口にする。

 かみ合わせを調整したことで左に回る首の可動域が70度前後から100度以上に広がった。マウスピースをつけて力みが抜け、投球の際の重心移動も安定。肩甲骨も柔らかくなり、しなやかなフォームを取り戻した。開幕から故障なく、10勝4敗、リーグトップの防御率1・96。エースとして申し分ない成績だ。

 かつて大活躍しながら、故障で苦しむ投手は珍しくない。松浦院長は「歯のかみ合わせを調整すれば、劇的にパフォーマンスが良くなる可能性があります」と分析する。マウスピースをつけた投手が増える日は近いかもしれない。(記者コラム 平尾 類)

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