“苦労人”Hondaの永野 全国デビュー戦で152キロ!巨人スカウトも高評価

[ 2017年7月16日 17:42 ]

都市対抗野球大会第3日1回戦   Honda10―0JR四国 ( 2017年7月16日    東京D )

 10対0と一方的な試合となった7回、突然ドームが沸いた。先発福島に代わって登板したHondaの左腕・永野将司(24)が投げ始めた瞬間だった。いきなり140キロ後半を連発。2人目の打者、代打松下の時に150キロを計時。今大会最速をマークして、スタンドがどよめいた。

 全国的には無名。それもそのはず、九州国際大4年時に左ヒジを壊し、右ヒジの腱を移植するトミー・ジョン手術を受けた。そのため関西の企業から内定を取り消され、1年半にも及ぶリハビリ生活。Hondaから「左腕がほしい」の声に練習に参加して、なんとか入社にこぎつけ今年2年目を迎えた。昨年も途中までリハビリ、さらに都市対抗出場を逃し、この日が“全国デビュー”となった。

 「自己最速(153キロ)を越えてやろうと思って投げたんですけど。初めての全国の舞台、思い切りいきました」永野は打者2人を抑えうれしそうに汗をぬぐった。

 ネット裏のスカウト陣も目を光らせる。巨人・福王昭仁スカウト主任・東日本統括は「ウチのスピードガンでは152キロ出てましたよ。左だし素材はいいね」と高評価。他球団のスカウトも「どこのチームもマークしてるんじゃない」とリストアップしているという。

 「プロには行きたいけど、ほとんど実績がないので都市対抗でアピールしたいです」1年半のリハビリ、内定取り消しと苦労した左腕は、拾ってくれたHondaに恩返しの意味も込め黒獅子旗を狙っていく。

続きを表示

2017年7月16日のニュース