Honda鈴鹿の桃太郎 パッカ〜ン 必殺“詰まり打ち”

[ 2017年7月16日 05:30 ]

第88回都市対抗野球第2日・1回戦   Honda鈴鹿3―2きらやか銀行 ( 2017年7月15日    東京ドーム )

<Honda鈴鹿・きらやか銀行>6回無死二塁、Honda鈴鹿・松本が同点となる右前適時打を放ち一塁でガッツポーズを見せる
Photo By スポニチ

 1回戦が行われ、2年連続出場のHonda鈴鹿(鈴鹿市)は、きらやか銀行(山形市)に逆転勝利。新人の松本桃太郎内野手(22)が同点打を含む2安打の活躍を見せた。第1試合でパナソニック(門真市)の吉川峻平投手(22)が14奪三振で2失点完投勝利。第3試合は東京ガス(東京都)が西部ガス(福岡市)の反撃を振り切った。

 ぱっかーん!桃太郎が同点打を生み出した。6回無死二塁。2球続いた内角球を振り抜くと、打球は右前に落ちた。2死後に柘植の二塁打で決勝のホームイン。2年連続初戦突破となる白星をどんぶらこ、と運んできた。

 「詰まらせて思った通りの打球を打てた」。社会人1年目。予選では徹底した内角攻めに苦しんだ。そこから短期間の練習で内角球の「詰まり打ち」の技術を習得。「フェアゾーンに入れる角度が難しい。でも肘を畳んで打つより詰まらせて落とした方が簡単」。3番を任される打撃センスを存分に発揮した。

 仙台大では仙台六大学リーグ新の通算120安打をマーク。しかし昨秋ドラフト会議では指名漏れ。失意のどん底を味わったが、今では「自分の力のなさが日に日に分かる。(プロ入りまで)2年間の修業だと思ってます」。誰からもすぐ覚えてもらえる「桃太郎」の名は「仲間をたくさんつくって正義感のある人に」と付けられた。この日も特製の「桃太郎Tシャツ」を着た職場の同僚から声援をもらった。チームには21歳投手の「浦島」もおり「桃ちゃん」「浦ちゃん」と呼ばれる。

 「社会人は凄い選手ばかり。鬼しかいない感じ」。そんな手ごわい鬼を退治して、23年ぶりの頂点へ。桃太郎が都市対抗の舞台で暴れまくる。 (鈴木 勝巳)

 ◆松本 桃太郎(まつもと・ももたろう)1994年(平6)11月11日、北海道生まれの22歳。小3で野球を始め、札幌新琴似シニアでプレー。北海では2年春夏の甲子園に出場し、2年春はベスト8進出。仙台大では1年秋に打率・477、3本塁打、17打点で3冠王に輝き、打率、本塁打の2冠だった4年秋には2度目のMVPを受賞した。1メートル75、85キロ。右投げ左打ち。

続きを表示

この記事のフォト

2017年7月16日のニュース