大谷投げられなくても本塁打競争キングに!山田に柳田に勝った

[ 2016年7月16日 05:30 ]

<全パ・全セ>本塁打競争の決勝で柳田を逆転する“サヨナラアーチ”を放つ大谷

マツダオールスターゲーム2016第1戦 全パ4―5全セ

(7月15日 ヤフオクドーム)
 日本ハム・大谷翔平投手(22)が15日、マツダオールスターゲーム2016の第1戦前に開催された本塁打競争で初出場初優勝を果たした。1回戦ではヤクルト・山田哲人内野手(24)、決勝ではソフトバンク・柳田悠岐外野手(27)と、昨季トリプルスリーを達成した2人に勝利。右手中指のまめをつぶした影響で、今年の球宴は野手のみの出場となるが、長距離砲としての実力も発揮し、賞金50万円を獲得した。

 あと1アウト。ここで打てるからこそスーパースターだ。ホームランダービーの決勝戦。大谷が振り抜いた打球は高々と舞い上がり、バックスクリーン左に飛び込んだ。それも中段への推定飛距離140メートルの特大弾で優勝を決めた。対戦相手の柳田も打球を指さし、笑うしかなかった。

 「投手としてファン投票に選んでもらって投げられなくて残念。こういったところで盛り上げることができて良かった」

 1回戦では両リーグトップの29本塁打を誇る山田を6―5で下した。決勝では先攻の柳田が2本で終了。大谷が優勢かと思われたが、初球から5球連続でミスショットした。あと1アウトで敗戦となる6アウトの時点では1―2。同点でもルール上、ファン投票得票数上位の柳田が優勝になるが、ここから2連発だ。「プレッシャーはなかった」と振り返るが、この窮地で千両役者ぶりを発揮。全パのコーチを務めた日本ハム・栗山監督は「“どうせ打たないだろう”と見ていたけど、打ったね」と破顔一笑だ。

 本気だった。試合前フリー打撃では球宴用に用意されたメープル材の青バットを使用したが、本塁打競争では「試合と同じアオダモでやりたい」と、しなりが大きいアオダモ材の黒バットで臨むことを決断。メープル材の方が反発力は高いが、アオダモ材はしなりが大きく、より長くボールを押し込むことができる。試合前フリー打撃では柵越えゼロだったが、優勝を決めた一発は、大谷らしくバットを体の内側から押し込んだ。持ち味の逆方向への打球を最後の最後に放った。

 球宴直前に右手中指のまめをつぶし、試合では3年ぶりに打者で出場した。長谷川の代打で登場した8回の打席は、マシソンの157キロに振り遅れて三直。「僕はフライを打ちにいったけど、差し込まれてしまった」と苦笑いした。16日の第2戦では「5番・DH」で出場予定。2日連続で本塁打競争にも登場する大谷は「打つことしかできないので、そこで楽しんでもらえるように頑張りたい」と言った。真夏の祭典。今度は横浜の夜空にアーチを架ける。(柳原 直之)

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2016年7月16日のニュース