栗山ハムの勝負手 ソフトB戦“Wエース”有原&大谷投入で奇跡起こす

[ 2016年7月3日 05:38 ]

<ソ・日>9連勝を飾りハイタッチする栗山監督(左から3人目)、有原(同5人目)ら日本ハムナイン

パ・リーグ 日本ハム4―0ソフトバンク

(7月2日 ヤフオクD)
 「エース」の力で9連勝!日本ハムは2日、有原航平投手(23)がソフトバンクを相手に8回を零封し、今季8勝目を挙げた。会心の首位連倒劇。ソフトバンクの連敗は5月19、21日以来、実に1カ月半ぶりだ。07年以来の10連勝が懸かる3日は大谷翔平投手(21)が先発。栗山英樹監督(55)が仕掛けた週末の2段ロケットで、鷹を追う。

 残る力を余すことなく、有原は右腕を振り抜いた。「変化球も抜けてきたので“ヒットを打たれてもOK”のつもりで、思い切って投げた」。4点リードの8回2死、柳田にフルカウントからファウルで2球粘られたが、この日の125球目。内角低めの149キロ直球で見逃し三振に斬った。

 「こういう試合に投げさせてもらえることを意気に感じた」。8回5安打無失点。最速150キロをマークして9三振を奪い、新人王に輝いた昨季の8勝に前半戦で並んだ。チームを09年以来の9連勝に導き、最大で11・5ゲームあった首位・ソフトバンクの差を7・5ゲームまで縮めた。

 交流戦も勝率1位に輝くなど他球団を圧倒するソフトバンクだが、日本ハムは7勝5敗1分け。11球団で唯一勝ち越す。中でも有原は別格だ。対戦4試合で3勝、防御率1・67。昨季トリプルスリーの柳田も13打数無安打と封じる。この日は今季のソフトバンク戦では使っていなかったチェンジアップも駆使し、強力打線をほんろう。「市川さんがうまくリードしてくれた」と感謝した。

 「翔平は打撃もやっているので、投手のエース格をつくらなくてはいけなかった」。栗山監督が期待するのが有原だった。交流戦終了後のローテーションを再編し、「サンデー翔平」として日曜登板が固定されている大谷に加え、週末のカードに有原も組み込んだ。現時点で2位・ロッテと0・5ゲーム差の3位だが、指揮官は「2位だったら昨年と何も変わらない。俺はソフトバンクしか見ていない」と、勝負手に打って出た。

 一般的には3連戦で3連敗を喫しないように、2枚看板は別のカードに分ける。しかし、7、8月に予定されているソフトバンクとの4カードはすべて週末――。迷うことはなかった。有原と大谷を投入して、直接叩いていくことでソフトバンクを追いかけていく。

 大谷で10連勝を飾れば球団では14連勝した07年以来の大台。有原は「“いい流れに乗っているので2人で勝ちましょう”と話した。何も言わなくてもやってくれるはず。(勝ち星も防御率も)競い合っていければいい」とバトンを託した。鷹の姿はまだ遠くにあるが、それを見失うことはない。奇跡の逆転劇を狙う。その主役になるのが有原であり、大谷だ。(横市 勇)

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