【鹿児島】特別支援学校 全国初の夏は初戦敗退

[ 2016年7月3日 05:30 ]

試合終了後に健闘を称え合う鹿児島特別支援の全4部員。(左から)矢野主将、深江、唯一の2年生・八戸、坂下

第98回全国高校野球選手権・鹿児島大会 鹿児島修学館・鹿児島特別支援学校・加世田常潤・鹿児島第一3―9鹿屋農

(7月2日 鴨池市民)
 全力で白球を追いかけた。特別支援学校の野球部として全国初の夏の大会出場。4校合同チームで出場した鹿児島特別支援学校の挑戦は初戦敗退に終わった。

 だが、4番を任され3安打を放った3年生・坂下の目に涙はない。「これで全国にいる後輩たちから甲子園を目指す人が増えてほしいです」とすがすがしかった。

 2回に坂下の右越え二塁打などで2点を先制したが、すぐ裏に3点を奪われ、3―4の6回にも3失点して逆転負け。投手の制球難、守備の乱れ…。坂下は「勝てなかったので悔しい」と振り返ったが待ちに待った夏の舞台でプレーできる喜びは大きかった。

 学校創立は12年。四本剛教諭(48)は「軽度の知的障がいを持っていて健常者とのはざまにいます」と言う。野球部は15年に発足し、現在の部員は4人。昨秋、今春の県大会にも連合チームで出場し、初めて迎えた夏の大会だった。夏1勝はお預けとなったが、力強く一歩目は刻んだ。「野球は大好きなんでこれからも続けていく」。学校で生徒会長も務める坂下は、最後まで胸を張っていた。

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2016年7月3日のニュース