牧田また“スーパーサブ”マリン 4回零封救援で5連勝呼んだ

[ 2016年4月10日 05:30 ]

<ロ・西>気迫のロングリリーフで勝利投手となった牧田

パ・リーグ 西武5-4ロッテ

(4月9日 QVC)
 また、“スーパーサブ”マリンに変身した。舞台はQVCマリン。同点とした直後の5回だった。西武・牧田が4回4失点の先発・十亀に代わり、スクランブル登板。清田、デスパイネ、角中の主軸を3人で片づけた。

 「一球一球が勝負球のつもりで投げた。風をうまく利用しながら投げることができた」

 QVCマリンの中堅から本塁方向に吹き付ける6~8メートルの海風。牧田はサブマリン特有の浮き上がる直球を軸に投球を組み立てた。「ジャイロ(らせん回転)しながら高めに浮く強い直球が効果的だった」。勝ち越した直後の6回1死一、二塁のピンチでは中村を内角高めの直球で空振り三振。牧田と初対戦した中村は「浮き上がってきた。見たことのない軌道だった」と舌を巻いた。

 8回まで63球を投げ、4イニングを2安打無失点で2勝目。3月26日オリックス戦(西武プリンス)でも3回5失点の十亀に代わり、4回から6イニングのロングリリーフで今季初勝利を挙げた。その再現に田辺監督は「牧田に尽きる。嫌な流れを切ってくれる」と感謝した。しかも今回は3試合連続登板だった。8日の同戦でも7回に救援し、1イニングで20球。7日は試合がなかったが、6日日本ハム戦(西武プリンス)でも救援で1イニング、12球を投げた。

 平成国際大時代は先発した翌日に3球のキャッチボールで中継ぎとして登板した経験もある。「すぐに肩はつくれる」と胸を張り、こう続けた。「いつ行くのか分からないので難しいけど、自分にしかできないこと。代わりはいないと思ってやっている」。勝ちパターンの継投での登板だけでなく、スクランブルのロングリリーフという変則の「3連投」でチームを5連勝に導いた。

 牧田の浮き上がるような直球と同様に、チームは首位に浮上した。「明日も行けと言われれば投げますよ」。こんな縁の下の力持ちがいるから、今年の西武は強い。(重光 晋太郎)

 ▼西武・潮崎ヘッド兼投手コーチ 牧田がいなければ勝てていない試合だった。ゴルフでいうところの「ユーティリティークラブ」だね。

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2016年4月10日のニュース