中田トドメの2号 憧れ公言オコエにバットで示した

[ 2016年4月10日 05:35 ]

<楽・日>9回1死、中田が左翼へソロアーチを放つ

パ・リーグ 日本ハム9-7楽天

(4月9日 コボスタ宮城)
 自らのバットでケリをつける覚悟を決めた。楽天とのシーソーゲームが続き、8―7で迎えた9回。日本ハム・中田は金無英(キムムヨン)の5球目の直球を強振して空振りし、フルカウントとなった。続く6球目も同じ直球。空振りを恐れず強振すると、打球は左翼席へ。1日のソフトバンク戦(草薙)以来、6試合ぶりの今季2号ソロで試合を決めた。

 「久しぶりにしっかり振り切れたスイングができてよかった。1点差のああいう場面。積極的にどんどん振っていこうと思った」

 試合前まで打率は・179。不振に苦しんでいた中田は久々に存在感を発揮した。1点差に迫った5回2死三塁では、遊撃へ一時同点となる適時内野安打を放った。7回にも田中賢の一時勝ち越しの適時打に続き、左前適時打を放った。「賢介さん(田中賢)の後もタイムリーで続けた。あれが一番、うれしかった」。最後にトドメの一発。今季初の3安打猛打賞をマークし、計3打点。負ければ5位に転落する試合で、4番がチームの連敗を3で止めた。

 8日の全体練習前。楽天・礒部打撃コーチを介し、自身に憧れているという新人のオコエにバットを贈った。未来のスター候補の打撃練習も観察し、驚いた。「何年も1軍にいるような打撃をしている。凄い選手になることは間違いない。ケガなく頑張ってほしい」。かつて同じ高卒でプロ入りした自身もオコエと同じように注目される中で、結果を出せずに苦しんだ。ここまでプロ初安打が出ていない18歳の気持ちは痛いほど分かる。敵とはいえ、下手な姿は見せられなかった。

 「これまで(1試合で)4、5打席も立たせてもらって情けない打撃しかできていなかった。久しぶりに振り切れた」。中田に笑顔はない。真の復活はこれからだ。(柳原 直之)

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2016年4月10日のニュース