お待たせ山口1勝&1発 マエケンと「持っている“モノ”一緒」

[ 2016年4月10日 05:30 ]

<D・ヤ>4回2死一塁、左越え2ランを放ったDeNA・山口

セ・リーグ DeNA10-5ヤクルト

(4月9日 横浜)
 投げて打って、「開幕」した。DeNAの山口俊投手(28)が9日、ヤクルト戦で今季初登板し、6回1/3を10安打5失点ながら今季初勝利を挙げた。負傷で開幕投手を回避し、約2週間遅れの初陣。打っても4回に貴重な追加点となる左越え1号2ランを放った。14年7月1日の中日戦(金沢)以来となるプロ2本目で自らを援護。チームは5本塁打で今季初2桁となる10得点を挙げ、連敗を5で止めた。

 照れくさかった。山口はお立ち台で頭をかいていた。今季初登板で初勝利を挙げたものの、投球以上にインパクトを残したのが4回に放った1号2ランだったからだ。

 「今シーズンの初めに、まさか“打者”として本塁打のインタビューをされるとは思わなかった。次は投手として、お立ち台に立てるように頑張ります」。井手とロペスの本塁打で3点を奪い、逆転。なお2死一塁で打席に立った。石川のカットボールを捉えると、打球は左翼席中段まで飛んでいった。この回3発目は2年ぶりのプロ通算2号。思わず両手をプロペラのように広げて走り出し「練習も含めて一番気持ち良かった」と振り返った。ドジャースの前田がメジャーデビュー戦で本塁打を放ち、初勝利を挙げたことを「知っていた」という右腕は「持っている“モノ”は一緒ですね」と豪快に笑った。

 「初登板で僕自身も何とか勝ちたいと思っていた」。年明け早々にプロ11年目で初の開幕投手に指名されたが、3月12日のイースタン・リーグ、ロッテ戦(横須賀)で右足首を痛めた。「奇跡が起こるかも」と球団関係者に漏らすなど回復に全力を注いだ。しかし、ラミレス監督から「君はシーズンを通して必要な投手だから」と言われ、開幕戦登板を回避した。その悔しさを胸に秘め、開幕戦から約2週間遅れとなったこの日の登板に向けて調整を続けてきた。

 本業では6回1/3を10安打5失点。疲労の見えた7回に4連打を浴びて降板した。それでも5回1死満塁のピン チを無失点で切り抜けるなど6回まで1失点に抑えた。その粘り強い投球が、自身を含む5本塁打で今季初の2桁得点を呼び込んだ。「要所、要所でホームを踏ませなかったのは収穫」。昨年4月25日中日戦(横浜)以来350日ぶりの白星を挙げ、チームの連敗を5で止めた。

 ラミレス監督は「今日は彼の日。連敗を止めてエースとしての仕事を十二分に果たしてくれた」と賛辞を贈った。「打撃陣のおかげで勝つことができた。次は自分の投球でチームを勝たせられるように」。山口の16年シーズンが幕を開けた。(中村 文香)

続きを表示

2016年4月10日のニュース