岩瀬帰ってきた!612日ぶり公式戦登板で鮮やか満塁斬り

[ 2016年4月10日 06:46 ]

<中・巨>88回表1死満塁、ギャレットを二ゴロ併殺に仕留めてガッツポーズの岩瀬

セ・リーグ 中日0-0巨人

(4月9日 ナゴヤD)
 しびれる場面で中日・岩瀬が“戦場”へ帰ってきた。左肘痛で昨季は登板がなく、14年8月6日広島戦(ナゴヤドーム)以来、実に612日ぶりの1軍マウンド。0―0の8回1死満塁の窮地で名前がコールされ、2万9547人の観衆からは一瞬のどよめきの後、大歓声が巻き起こった。

 「まさか1死満塁とは思わなかった。1点勝負というものあった。開き直って。自分を信じて投げました」

 こん身の1球は4番ギャレットに対する1―1からの3球目だ。「低く。コースだけ間違えないように」。修羅場をくぐってきた“刀”はさびていない。代名詞のスライダーを外角へ決めて二ゴロ併殺打に仕留めた。

 「ギャレットに回れば…」と投入を決めていた谷繁監督もベンチで右拳を握った。たとえ2年ぶりでも、気楽な場面より息詰まる場面が似合うことを数え切れないほどバッテリーを組んできた“盟友”は知っていた。

 昨秋には身を引く覚悟さえよぎった。「やってダメなら諦めもつく」。年俸3億円から5000万円へ83%の大減俸を受け入れ、キャンプは初日から投げ込み、若手と競った。インフルエンザ感染などで開幕1軍は逃しても「ここまでかかるとは思わなかったけど、なんとか戻ってこれた」と少しだけ表情を緩めた。好救援で引き分けに貢献。「みんな頑張っている。なんとかそれに付いていきたい」。通算402セーブのプロ野球記録保持者の挑戦は続く。(細川 真里)

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2016年4月10日のニュース