藤浪ら仲間に支えられた…同大・平尾奎 病克服し今春初先発

[ 2016年4月10日 14:37 ]

関西学生野球連盟 春季リーグ戦・第2節2回戦 関大5―1同大

(4月10日 ほっともっとフィールド神戸)
 同大の平尾奎太投手(4年)が感謝の心を胸に先発マウンドへ上がった。関大戦で今春リーグ戦初先発。1点リードの6回、安井に右翼席へ同点ソロを浴びた。7回2/3を3失点。大阪桐蔭時代の仲間に喫した手痛い一発に「打たれて一番悔しい相手」と唇を噛んだ。

 野球ができる喜びを誰よりも感じている。大阪桐蔭に在籍した11年秋に腎臓の病を患い、複数回の入退院を繰り返した。練習ができない半年間。折れそうな心を支えてくれたのは仲間だった。同年秋の大阪大会を制した後、藤浪(阪神)、白水(同大主将)らが優勝旗を手に西谷浩一監督とともに病床にやってきた。練習場から度々電話もくれた。「励ましがうれしかった」と感謝する。

 当時、担当医からはマネジャーになるよう勧められたが、選手に強くこだわった。大阪桐蔭は12年春夏の甲子園大会を連覇。聖地での登板こそなかったが、平尾奎はベンチで歓喜を味わった。筋力低下で体力的に厳しい状況だったが、12年夏の大阪大会5回戦では生野工を無失点に封じた。

 大学入学後は治療に専念。入退院を繰り返しながら、2年間は公式戦の応援や裏方に徹した。15年3月末に実戦復帰すると、昨春は中継ぎでリーグ戦デビュー。昨秋の関学大戦でリーグ戦初先発を初完封で飾った。渋谷卓弥監督は「本来なら藤浪君のようになってもおかしくない素材」と話すように、病気の不安がなくなった今、先発の軸として期待がかかる。

 寮の部屋が一緒だった藤浪や沢田(立大)が活躍している。「自分も負けたくない」。開幕2連敗となったが、優勝の望みが消えたわけではない。1メートル88の大型左腕が逆襲の起爆剤になる。 (吉仲 博幸)

続きを表示

2016年4月10日のニュース