“雄星2世”高橋10K 花巻東クロスファイアの系譜

[ 2015年8月8日 05:30 ]

<花巻東・専大松戸>10三振を奪い、2失点完投の花巻東・高橋

第97回全国高校野球選手権第2日・1回戦 花巻東4―2専大松戸

(8月7日 甲子園)
 1回戦4試合が行われ、第1試合では花巻東(岩手)が専大松戸(千葉)を4―2で撃破した。今秋ドラフト候補に挙がる高橋樹也(みきや)投手(3年)が8安打10奪三振2失点で完投勝利をマーク。菊池雄星(現西武)、大谷翔平(現日本ハム)も届かなかった悲願の全国制覇を目指す。第3試合では九州国際大付(福岡)が鳴門に8―2で快勝。富山凌雅(とみやま・りょうが)投手(3年)が投打で活躍し、昨年8月に就任した元西武の楠城徹監督(64)に甲子園初勝利を贈った。

 右打者が6人並んだ専大松戸打線。左腕・高橋のテーマは、クロスファイアだった。初回のマウンド。投球練習の1球目は、右打者への内角直球を投げ込み、感触を確かめた。「角度をつけて、甘く入らないように意識した」。その言葉通りに、胸元を突いた。

 相手の胸を目掛けて投げるのがキャッチボールの基本とされる。だが、花巻東の投手は、少し異なる。左投手は相手の左肩を狙うことを徹底する。肩慣らしの段階から、クロスファイアの角度を意識するためだ。

 味方が追加点を挙げた直後の6回は3者連続三振。2死で代打起用された右打者の永井には、136キロを内角いっぱいに決め、見逃し三振を奪った。「球速が出ていても甘くなったら打たれる。制球を重視して投げた」。9回2死一、二塁のピンチではプロ注目の1番・渡辺の懐をえぐり、最後はチェンジアップ。「意識付け」が実り、10個目の三振で締めた。

 09年センバツで菊池を擁して準優勝。当時小6だった高橋は、テレビ観戦し「雄星さんみたいになりたい」と思った。腰の回転を早くするフォームは大先輩を参考にした。帽子に「栄光の♯1」と記し、大谷も背負ったエース番号に恥じない、攻めの投球を貫いた。

 最速は140キロ止まりだったが、129球を投げての完投勝利。4回に3失策が絡んで2失点したが、自責点は0だった。日本ハム・今成泰章スカウトは「投球術は大谷よりもいいものを持っているんじゃないか」と話し、オリックス・中川隆治スカウトも「腕の振りがいい。面白い素材」と評価した。

 目指すは、菊池、大谷を擁しても届かなかった全国制覇。「雄星さんに全然及ばないが、エースとしてふさわしい投球をしたい」と高橋は言った。6年前、目に焼き付いたクロスファイア。「雄星2世」が、甲子園の舞台で再現した。 (川島 毅洋)

 ▼花巻東・佐々木洋監督(高橋は)上半身の力を抜いて投げていた。最後は一番いい打者に回ったのでハラハラ、ドキドキ。よく抑えてくれた。

 ◆高橋 樹也(たかはし・みきや)1997年(平9)6月21日、岩手県生まれの18歳。小3から「笹間野球スポーツ少年団」で野球を始める。西南中では軟式野球部に所属し3年夏に県大会8強。花巻東では1年秋からベンチ入りし2年秋からエース。50メートル7秒0、遠投100メートル。1メートル76、74キロ。左投げ左打ち。

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