広島新庄 初出場対決制す!2年エース堀足つっても133球完投

[ 2015年8月8日 05:30 ]

<広島新庄・霞ケ浦>8回、足がつった広島新庄・堀(手前)は指先を引っ張ってストレッチ

第97回全国高校野球選手権第2日・1回戦 広島新庄4―2霞ケ浦

(8月7日 甲子園)
 1回戦4試合があり、広島新庄(広島)は霞ケ浦(茨城)との初出場対決を制した。エース左腕の堀瑞輝投手(2年)が10安打を浴びながらも要所を締め2失点完投勝利。広島県勢としては4年ぶりの夏勝利をつかむと同時に同勢の春夏通算200勝目を挙げた。

 最後は意地を貫き通した。2点リードの9回2死二、三塁で相手4番の清水に対し、堀はオール直球勝負。5球目に自己最速を1キロ更新する141キロを計測するなど5球連続でファウルされ最後は中飛に仕留めた。創部88年目で初となる夏の甲子園で2年生エースが2失点完投。夏の初勝利は県勢にとって春夏通算200勝目となるメモリアル勝利となった。

 「調子は良くなかったけど、勝ててよかった。ほっとしました」

 8回2死を取った後に左ふくらはぎがつるアクシデントに見舞われた。球審に訴えて水分補給して続投し後続を断った。その後、ベンチ裏で治療に努め迫田守昭監督から「交代するか」と聞かれたが「行けます」と即答し最終回のマウンドに上がった。

 初回から異変を感じていた。指揮官から「何事にも動じない強心臓」とたたえられた左腕が「いつもの自分じゃないみたいで、スタンドがよく見えなかった」と振り返る。地方大会では経験したことのない極度の緊張に見舞われ、先頭打者に四球を与えるなど2死満塁のピンチを背負ったが、何とか切り抜けた。4回2死から1点を失い5回1死から3連打で同点とされたが「後ろに投手が控えているので全力で行った。最後は気持ちで投げた」。2、8回を除き毎回走者を許すなど被安打10も、最大の武器でもある、伸びのある直球を主体に133球の熱投。試合後は、お立ち台に座り込んで話すほど疲労していた。

 迫田監督は「本来は変化球を交えるべきですが、自信のある直球を打たれたのなら仕方ないと。ただ、直球だけでは痛打されるということが分かったはず。いい勉強をさせてもらいました」と次戦に向け、エース左腕に課題を与えた。堀も「高めに行ってコーナーに投げられなかった。(自己採点は)10点ぐらい」と反省しきり。それでも、成長させてくれるのが聖地。初出場初勝利の勢いにも乗り、さらなる上を目指す。 (古野 公喜)

 ▼巨人・田口(13年度卒OB)タクシーの中でワンセグで見ていました。歴史に名を刻んでくれましたね。励みになります。うれしいです。1勝、1勝ずつですね。

 ≪県勢200勝≫広島新庄が勝ち、広島県勢は春夏通算200勝に到達した。初勝利は1916年夏に広島商が19―4で中学明善を下して記録。

続きを表示

2015年8月8日のニュース