広島 延長12回菊池V撃!21奪三振投手陣に応えた

[ 2015年8月8日 05:30 ]

<巨・広>延長12回1死満塁、菊池が先制の左前打を放つ

セ・リーグ 広島2-0巨人

(8月7日 東京D)
 勝利への執念が結実した。広島は7日の巨人戦(東京ドーム)で延長12回に先制し、劇的勝利を収めた。先発のクリス・ジョンソン投手(30)が自身最多となる13三振を奪い、7回4安打無失点。後を受けた大瀬良、ヒースも三振の山を築き、巨人打線から計21三振を奪った。24年ぶり優勝に向け、正念場となる首位・巨人との3連戦。最高の形で先勝した。

 赤ヘル軍団の底力は土壇場で発揮された。12回1死満塁、菊池が山口のスライダーをとらえた。

 「絶対に勝ちたいと思っていた。狙い球は絞っていない。思い切り行くだけだと思っていた」

 値千金の左前適時打。先制点は最終回に生まれ、決勝点となった。連敗を2で止め、首位・巨人とのゲーム差は4。カープが劇的勝利で優勝戦線に踏みとどまった。

 投手陣の踏ん張りが、勝利の原動力だった。先発・ジョンソンがチームに流れを導く。初回、先頭の立岡をカットボールで空振り三振に仕留めると、2死から坂本を外角直球で空振り三振。1、2回を3者凡退で終え、リズムを作り出した。

 「試合を作ることができて満足だ。アウトを取ることが仕事だから良かった」

 4回は1死から連打、四球で満塁のピンチを背負ったが、村田、カステヤーノスをともに直球で空振り三振。直球、カットボールにカーブを効果的に交え、緩急を付ける絶妙の投球を展開した。7回を投げ、自身最多の13奪三振。巨人打線から1人の投手が13個の三振を奪うのは02年5月24日の広島・黒田以来、13年ぶりのことだった。

 後を受けた男達も力で巨大戦力をねじ伏せた。8回から登板した2番手・大瀬良は最速152キロ直球を軸に2回を無安打無失点。3つの三振を奪い「三振は追い込んだら、狙いに行きます。厳しいところを攻めて、取れたことは良かった」と笑顔を見せる。3番手・ヒースも2回5奪三振。広島投手陣の1試合(9イニング)最多奪三振は2005年8月16日ヤクルト戦(広島市民)での17個。延長戦のため、参考記録ではあるが、球団記録を塗り替える奪三振ショーだった。

 4回から4イニング連続で無死からの走者を送ったが、併殺、犠打失敗、盗塁失敗など本塁が遠かった。しかし攻め続けた結果だけに、下を向く必要はない。緒方監督は疲労の色も見せず、投手陣の働きを称えた。

 「今日は投手の力だけで勝ったようなもの。それに尽きるでしょう」

 チームが全体で共有する勝利への執念は最後の最後で実を結んだ。(桜井 克也)

続きを表示

この記事のフォト

2015年8月8日のニュース