九国大付のビッグアニキ熱投!14人きょうだい富山家の星初戦突破

[ 2015年8月8日 05:30 ]

<鳴門・九州国際大付>6回1失点の好投を見せた九州国際大付・富山

第97回全国高校野球選手権第2日・1回戦 九州国際大付8―2鳴門

(8月7日 甲子園)
 昨夏の借りをきっちり返した。九州国際大付のエース富山は、7―0とリードした6回1死満塁から押し出し四球を与えたが、ここで踏ん張った。「力で押すのではなく球の切れに切り替えて勝負した」と、後続を二飛、一邪飛に仕留めた。

 2年生だった昨夏は初戦の東海大四戦に先発したが、走者を置いてから力勝負を挑んで打ち込まれ、2回1/3を3失点でKOされた。甲子園の土は持ち帰らず、冬場は「とにかく走り込んだ」という。その努力が実を結び、6回を4安打1失点。6回には左中間に2点適時打も放った。

 スタンドからは大家族が見守っていた。母・美薫(みか=46)さんと14人きょうだいの15人ファミリーで、凌雅は三男、一番上は27歳、一番下は8歳。過去には「大家族スペシャル」のテレビ特番のオファーを受けたこともあるという。この日は母が運転する車で、和歌山県御坊市の自宅から約2時間かけて、仕事の都合で来られない長男と次男、妊娠中の長女を除く、8人の弟と2人の姉が応援に駆けつけた。

 「家族に成長した姿を見せられたかな。弟たちは僕の姿を見て喜んでくれたらうれしい」と笑った。それでも大黒柱の「ビッグマミー」は満足していない。「根は優しいけど、すぐ天狗(てんぐ)になるので褒めません」ときっぱり言った。

 「プロに行って家族を楽にさせたい」と話す富山の自己評価も「まずは1勝できてホッとしているけど、きょうは40点」と厳しい。チームは11年以来、4年ぶりの初戦突破。家族をもっと、もっと喜ばせるためにも勝ち進むだけだ。

 ▼九州国際大付・楠城徹監督(新研修制度となった13年以降の指導者資格回復者では初の甲子園勝利)僕はルーキー(監督)ですから精いっぱいです。でもホッとした。選手は思いきってバットを振ってくれていた。

続きを表示

この記事のフォト

2015年8月8日のニュース