楽天の「レジェンド」上田亜樹さん 球団創設からフル出場中「どんな時も笑顔」

[ 2015年7月10日 09:50 ]

東北楽天ゴールデンエンジェルスの上田亜樹さん

 男子スキー・ジャンプの葛西紀明を筆頭に、スポーツ界には長年にわたって第一線で活躍している「レジェンド」がいる。実は楽天にもレジェンドがいるのだ。球団の公式チアリーディングチーム「東北ゴールデンエンジェルス」のリーダー、上田亜樹さんだ。球団創設の05年から在籍して今年で11年目。プロ野球には現在、広島を除き11球団にチアリーディングチームがあるが、その中のチアでは最長だ。

 在籍年数もさることながら、何よりもすごいのが「フル出場」だ。東北ゴールデンエンジェルスは本拠地・コボスタ宮城で試合がある日は、試合前やイニング間にダンスで球場を盛り上げる。上田さんは11年間、一度も休んだことがない。本拠地では年間約70試合。これに加え、交流戦などビジターの試合にも応援に駆けつけることがある。単純計算でも800試合以上、連続出場を続けている「レジェンド」なのだ。

 仙台市出身の上田さんは04年11月、新規参入が決まった楽天がチアリーダーを公募しているのを知り「もともとモダンバレエをしていたので、踊る仕事に就きたかったし、チアは憧れでした」と応募。68人の応募者の中から上田さんを含む29人が初代メンバーとして選ばれて活動を始めた。

 野球場はネット裏から外野まで360度に客席があり、至る所から視線が集まる。「笑顔で踊ることで、こんなにも気持ちが伝わるのか」と観客と一体になれる喜びを感じた。11年の東日本大震災後は、復興支援活動にも積極的に取り組んでいる。被災地を回り「コボスタ宮城に来られなくても、こんなにも応援してくれているんだ」と東北の人たちの温かさに気付かされたという。震災から50日目の4月29日、本拠地で開幕を迎えた際は「いろんな人たちの笑顔を見て、東北を元気にしたい」という気持ちがより一層強くなった。

 楽天が初の日本一となった13年からはリーダーに抜擢され、チームをまとめている。モットーは「どんな時でも笑顔」。球団創設、震災、日本一からの最下位転落…。楽天の歴史のそばには、いつも彼女の笑顔がある。「また、日本一になれるよう後押しできるチアになりたい」とニッコリ笑った上田さん。

 選手たちの熱いプレーはもちろんだが、レジェンドの笑顔と圧倒的なパフォーマンスを見に、ぜひ一度、コボスタ宮城に足を運んで欲しい。

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2015年7月10日のニュース