古河三・川辺 二刀流の活躍 12K完封&4安打 大谷に憧れ

[ 2015年7月10日 05:30 ]

<水戸農・古河三>3安打完封勝利を挙げた古河三・川辺

第97回全国高校野球選手権茨城大会1回戦 古河三4―0水戸農

(7月9日 笠間市民)
 第97回全国高校野球選手権大会(8月6日から15日間、甲子園)の地方大会は9日、9大会で49試合が行われた。茨城大会では古河三が水戸農を4―0で下して2回戦進出。エースで4番の川辺将範投手(3年)が3安打完封に加え、打っては4安打と二刀流の活躍で勝利に貢献した。10日は千葉、埼玉大会などが開幕。19大会108試合が行われる。

 勝利の瞬間、少しだけ吠えた。ポーカーフェースで淡々と投げていた川辺は最後の打者を右飛に打ち取ると、女房役の黒須とハイタッチ。大粒の汗を浮かべながら、校歌を歌った。

 「真っすぐはいつもよりも切れていた。相手打線はスライダーが全然合っていなかったので、それを低めに集められた」

 3回、先頭打者にカーブを右中間二塁打された。そこからギアを上げると9回までは危なげない投球。自己最多の12三振を奪って完封して「こんなに三振を取ったことはない。カーブを投げて打たれたので、そこから1球も投げなかった」とスライダー中心の配球に変えて三振を量産した。

 投げるだけではない。日本ハム・大谷に憧れる1メートル84の大型左腕は、4番打者として4安打をマークした。本格的に投手を始めたのは高校入学後。古河一中では外野手として打撃を磨いたことが高校最後の夏に生きた。この試合では左前、中前、右翼線二塁打、遊撃内野安打と広角に打ち分けた。直球の最速は128キロ。岩手・花巻東3年時に160キロをマークした大谷には遠く及ばないが「自分とタイプは違うけど憧れ。長身から凄い速い球を投げるし、二刀流も」と、その背中を追っている。

 「直球が序盤は良くなかったので75点くらい」と、完封&4安打にも決して満足しない。貪欲に野球に打ち込む姿勢は、大谷のそれと重なる。 (川島 毅洋)

 ◆川辺 将範(かわべ・まさのり)1997年(平9)5月15日、茨城県生まれの18歳。小4から「古河リトルライオンズ」で野球を始める。古河一中では外野手として県西選抜に選出。古河三1年夏からベンチ入りし、2年夏からエース。将来の夢はプロ野球選手。1メートル84、83キロ。左投げ左打ち。

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