阪神強運!無安打サヨナラ 四球、犠打、四球、四球でまさかの捕逸

[ 2015年7月10日 05:30 ]

<神・中>11回1死満塁、捕逸でサヨナラのホームを踏んだ上本(中央)は今成(左)と大和に水をかけられる

セ・リーグ 阪神3-2中日

(7月9日 甲子園)
 阪神は9日、3―2で中日にサヨナラ勝ちし、連敗を2で止めた。2―2の延長11回、3四球を得て1死満塁とし、相手の捕逸で決勝点。この回無安打で今季7度目の劇的勝利を拾った。今季最多の15残塁という拙攻の中、救援陣が7回以降を無失点リレー。勝率5割に戻り、10日から0・5ゲーム差で首位・巨人との東京ドーム3連戦に臨む。

 まさかの幕切れとなった。延長11回1死満塁、打席にはマートン。この回から登板した相手5番手・福谷は、ボールが手に付いていなかった。マートンへの初球も、内角高めに大きく抜けた。そのボールを捕手・桂がはじいた。三塁走者・上本がホームに滑り込み、サヨナラ勝利を飾った。

 「どんな形でも勝てばいい。チーム全員でつかんだ勝利だと思う」

 上本が胸を張る。まさに「どんな形でも…」だった11回。福谷の制球難につけ込んで決勝点を拾った。上本の先頭出塁からして四球。大和がバントで送った後、三塁進塁は暴投だった。代打・狩野、ゴメスが連続四球を選んで満塁。結局、無安打で1点をもらった。

 2点を先行しながら追い付かれる嫌な流れだった。同一カード3連敗を阻止する1勝を引き寄せたのは、和田監督が「ピンチの連続だったけど、よく踏ん張ってくれた」と言う救援陣だ。7回に登板した2番手・高宮以下が5回を零封した。

 8回以降は毎回走者を背負いながらも本塁を踏ませない。9回から出た呉昇桓(オ・スンファン)は今季5度目の2イニング目突入の10回、1死満塁のピンチを招きながらも後続を連続飛球で仕留めた。「点を取られないことに集中した」。11回を抑えて今季初勝利を手にした安藤は「3連敗は避けたいところ」とチームの思いを代弁した。

 攻撃は反省点が多かった。2回1死満塁、3回2死満塁を逃すなど、好機に1本が出ずに15残塁。雑な野球をしていては、巨人は倒せない。「この3連戦は走塁ミスや走者を進めることができなかった。そこはきっちりやらないと」。和田監督は足元を見つめ直し、宿敵との激突をにらんだ。

 ≪サヨナラ最多7度目≫阪神が6月3日のロッテ戦以来今季7度目のサヨナラ勝ち。昨季の7度に早くも並び、両リーグではソフトバンクの6度を抜く最多回数になった。なお、チーム最多の12度を記録した01年はチーム71試合目の7月1日に7度目をマーク。今季は79試合目と8試合遅いがどこまで迫るか。

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