【高校野球100年】打率7割!5番・糸屋が全員道産子打線けん引

[ 2015年7月10日 10:12 ]

マウンドに集まり歓喜の駒大苫小牧ナイン
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 04年夏の大会。20打数14安打、打率7割の猛打で駒大苫小牧をけん引したのは、5番打者の糸屋だった。決勝の済美戦。3点を追う6回無死一塁から左翼席へ反撃の2ランを「あの打席はボールの下からすくい上げればスタンドに入ると思った」と振り返る。

 だが、この大会で駒大苫小牧は17度あった無死一塁の場面で強攻策に出たのはこの1度だけ。犠打で確実に得点圏に走者を送るのが得点パターンだった。前年センバツ初戦。同点機で二塁走者だった糸屋が単打で生還できず藤代に1―2で敗れた。北海道に戻ったチームは走塁練習を繰り返した。打球判断、1歩目のスタート…。それだけで練習が終わる日もあった。済美戦は二塁走者が単打で3度生還。守っては本塁を狙った二塁走者を2度刺した。「走り負け」をしっかりと糧にしていた。

 優勝翌日、北海道に帰る機内。「ただいま優勝旗が津軽海峡を越えております」という粋なアナウンスが流れた。「自分は寝ていました」。捕手としても好リードで投手陣を支えた糸屋は笑みを浮かべ懐かしんだ。

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