【イマドキ球児】文武両道の桐蔭、もうひとつの夢は医大現役合格

[ 2015年3月23日 09:00 ]

<桐蔭・今治西>3回1死、桐蔭・上山は遊ゴロに倒れる

第87回センバツ高校野球第2日・1回戦 桐蔭7―11今治西

(3月22日 甲子園)
 プロ野球は今年、京大からロッテに入団した田中が話題を集めている。野球部といえば練習がきつくて授業中はウトウト…、なんてイメージがあるかもしれないが、今大会出場校の中には医師を目指して文武両道を貫く「リケダン(理系男子)」がいた。

 第1試合で、偏差値66の今治西との進学校対決に臨んだ偏差値68の桐蔭。「3番・中堅」で先発した上山(2年)と代打で途中出場した角田(3年)は地元・和歌山県立医大への進学を目指している。「いつも帰宅は夜10時すぎ。予習する時間はないのでとにかく授業を集中して聴くようにしている。寝るなんてことは絶対にできない」と上山。父・隆雄さん(53)は放射線技師。自身は幼少期に体が弱く、毎日通院するうちに医師への憧れを抱くようになった。「どの科に行くかはまだ考え中。自分と同じような境遇の人を助けたい」と目を輝かせる。

 医学部に進んだOBでは1915年、第1回夏の甲子園に出場した小笠原道生が知られる。帝大(現東大)医学部に進学し、文部省体育局長を務めて、戦局悪化による甲子園中断という苦渋の決断を下した人物だ。5年前にも和歌山県立医大に現役合格者を輩出。球児から医師へ。試合には敗れたが、文武両道の証は聖地にしっかりと刻んだ。

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2015年3月23日のニュース