OP戦球団最多3万1255人来た!黒田 広島最下位もファン酔わせた

[ 2015年3月23日 05:45 ]

<広・ソ>オープン戦ながら超満員で真っ赤に染まったスタジアムを背に力投する黒田

オープン戦 広島1-0ソフトバンク

(3月22日 マツダ)
 8年ぶりに復帰した広島の黒田博樹投手(40)が22日、本拠地でのソフトバンクとのオープン戦に先発し、7回を6安打無失点と好投した。3度目の実戦登板もメジャー仕込みの制球力と集中力でゴロの山を築き、オープン戦での球団史上最多となる3万1255人を魅了。日本球界復帰戦となる29日のヤクルト戦(マツダ)に弾みをつけた。この日でオープン戦は全日程を終了。2015年シーズンは、27日にセ・パ両リーグが同時に開幕する。

 スタンドが真っ赤に燃えた。恋、ならぬ一足早い鯉の季節の到来だ。チケット完売で、3万1255人。オープン戦での球団史上最多の観客を、黒田が存分に酔わせた。7回1死満塁。松田を三ゴロ併殺打に仕留める。拍手。好投を称え、シーズンを心待ちにする拍手と歓声だった。

 「きょうの状態ではこれがベスト。いいボールも悪いボールもあった中で、長いイニングを投げ、結果的にゼロに抑えることができた」

 オープン戦ラスト登板。昨季日本一のソフトバンク打線を相手に、7回のうち5度も先頭打者を出塁させた。制球が安定せず、逆球も目立つ。「シーズンを考えたら、そういう展開はある。いい練習になった」。それでも走者は還さない。7回92球を投げ6安打で無四球、無失点。21アウトのうち、2度の併殺打を含めて15のアウトをゴロで奪った。天下無双のゴロキング。この日も宝刀ツーシームを自在に操った。松田の併殺打も内角を厳しく突いた145キロの「狙い通りです」という必殺の一球だった。

 これでオープン戦3試合、17回1/3を投げ2失点。四球はわずかに1個だ。広島ラストイヤーだった07年。9イニング当たりの四球数は2・10だった。これでも十分に低い数値だが、今オープン戦は0・52。ツーシームなど動くボールでストライクゾーンを積極果敢に攻め、早いカウントで打ち取る。必然、球数も減り、四球を出す確率も減る。メジャーで進化した姿。緒方監督に「彼の存在なくして、今季の戦いはない」とまで言わしめた。

 「(キャンプからは)あっという間だった。これからが長いシーズン。気を引き締め直して開幕を迎えたい」。そして黒田は続けた。「マウンドに上がれば勝ちたい。どこまで体が続くか分からないけど、勝たないといけない」と――。

 チームは3勝7敗2分けで、10年ぶりのオープン戦最下位。しかしその3勝は、全て黒田が先発した試合だ。まさしく勝利の使者。さあ、準備は整った。男気フィーバーはこれからが本番。29日のヤクルト戦で、スタンドが再び真っ赤に染まる。

 ▼ソフトバンク・内川(8年ぶりに黒田と対戦)出し入れが凄い。日本にいた頃とはイメージが違った。150キロくらい出て、シュートが凄く曲がっていた時とは違う。なんか捉え切れない。

 ≪黒田のOP戦≫

 ☆3月8日ヤクルト戦(マツダ) 2719日ぶりとなる本拠地での実戦登板で、4回1/3を無安打無失点のパーフェクト投球。4回には内角のボールゾーンから鋭く曲がるツーシーム(フロントドア)で藤井を見逃し三振に仕留めた。「久しぶりに広島に帰ってきたので、何か不思議な感じ。気持ち良く投げられた」

 ☆同15日オリックス戦(マツダ) 6回5安打2失点で「復帰初勝利」をマーク。4回無死一塁からブランコに一発を浴びたが、ツーシームを軸に18のアウトのうち11のアウトをゴロで奪った。6回77球の省エネ投球に、緒方監督も「意図を持って投げていたし、(失点は)気にしていない」と信頼を口にした。

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