G由伸後輩・檜村V弾!木更津総合44年ぶり春1勝

[ 2015年3月23日 05:30 ]

<木更津総合・岡山理大付>44年ぶりにセンバツで勝利し高らかに校歌を歌う木更津総合ナイン

第87回センバツ高校野球第2日・1回戦 木更津総合8―3岡山理大付

(3月22日 甲子園)
 1回戦3試合が行われた。第3試合では木更津総合(千葉)が岡山理大付を8―3で下し、71年以来44年ぶりの春1勝。今秋ドラフト候補の檜村篤史内野手(3年)が決勝の左越え3ランを放つなど4打点をマークした。第1試合は今治西(愛媛)が53年ぶり出場の桐蔭(和歌山)に11―7で勝利。第2試合は静岡が立命館宇治(京都)に7―1で快勝し、春夏通算30勝目で春は16年ぶりに初戦を突破した。

 夢のようだ。春風を受けて甲子園のダイヤモンドを回っていく。木更津総合の4番・檜村にとって、生まれて初めて味わう至福の時だった。

 「真芯に当たった凄い当たり。甲子園で打つことを今まで思い描いていた。(ダイヤモンド一周は)今までに感じたことがない感覚だった」

 1―1として迎えた3回2死一、三塁のチャンス。打席の檜村は冷静だった。スライダーが2球外れて3球目。狙いをスライダーから直球に切り替え、真ん中寄りの直球を振り抜いた。打球は左翼ポールを巻くようにしてスタンド中段へ。2回の第1打席でスライダーを狙っていて詰まらされた直球を、今度はものの見事に打ち砕いた。

 実は、これが公式戦初アーチ(高校通算は7本目)。記念の公式戦1号が甲子園だから夢見心地も当然だ。1年夏からレギュラーながら「僕には長打はない。つなぎの4番」という。五島卓道監督に「おまえらの代は打力がない」と言われた一昨年の冬から打力向上に取り組んできた。「マシンガン」と呼ぶ25~30球連続でティー打撃をする練習を5、6セット。20分間で6セットこなせるのは檜村だけだ。スイングスピードを上げ、重いボールでのロングティーでパンチ力もつけ、大舞台で成果を発揮した。

 幕張本郷中時代は高橋由伸(巨人)らを輩出した千葉ジャガーズで4番を打った。今も残る高橋由の特大アーチ伝説に「凄い飛距離だったと聞いてます」というが、この一発は偉大な先輩にも負けてはいない。7回1死満塁では4番の風格で押し出し四球。計4打点が71年以来44年ぶり春1勝を呼び、五島監督も「よくやってくれた。成長を感じます」と絶賛だ。

 44年前のセンバツはベスト4。「歴史を塗り替えたい」。その夢は檜村がバットで実現する。

 ▼木更津総合・早川(昨秋公式戦36回無失点も2回に失点。7回3失点で降板)点を取られるのは想定内。でも緊張して本来の投球ができなかった。9回投げきって勝ち投手になりたかった。  

 ◆檜村 篤史(ひむら・あつし)1997年(平9)11月6日、千葉県生まれの17歳。小2から野球を始め、幕張本郷中時代は千葉ジャガーズ所属。木更津総合では1年夏の千葉大会から遊撃のレギュラーを務め、同夏の甲子園に出場。2年秋から4番。家族は両親と弟。1メートル80、75キロ。右投げ右打ち。

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