マー君 打者に投げた 故障後初フリー打撃で35球

[ 2014年8月24日 05:32 ]

試合前、(左から)ロスチャイルド投手コーチ、ジラルディ監督、堀江通訳らが見守る中、故障後初めて打撃投手を務める田中

 右肘じん帯の部分断裂で故障者リスト(DL)入りしているヤンキースの田中将大投手(25)が23日(日本時間同日深夜)、ホワイトソックス戦前のヤンキースタジアムで故障後初めてフリー打撃に登板した。打者2人を相手に35球を投げ、計9スイング中、安打性の当たりは3本に抑えた。打者を相手にした投球練習も問題なくこなし、重要なステップをクリア。9月上旬のメジャー復帰に向けて万全の仕上がりをアピールした。

 気温20度のヤンキースタジアム。ブルペンで28球を投げ終えた田中が、フリー打撃のマウンドに上がった。ブライアン・キャッシュマンGM、ジョー・ジラルディ監督ら首脳陣が見守る中、「打者との感覚だったり、ブルペンでやってきたことと同じように投げられるかを確認しながら投げた」と控え内野手のライアン、ウィーラーを相手に投げ込んだ。

 スプリットやスライダーなど変化球を交えながら20球を投げ終えると、イニング間を想定して約5分間のインターバル。再開後は捕手とサイン交換をしながら15球を投げ、スプリットで空振りを奪う場面もあった。6~7割程度の力ながら、9スイングのうち、安打性は3本。「久しぶりということでまだまだばらつきはありますし、思うように投げられていない部分が大半ですけど、それは調整して上げていければいい。きょうは打者に向かって投げられたのが一番」と満足げに振り返った。

 患部に問題がなければ実戦形式の打撃練習やマイナー戦に登板。順調に行けば、9月10日(同11日)~同15日(同16日)のメジャー復帰が有力視される。田中の負担を減らすため、ラリー・ロスチャイルド投手コーチはベンチ入り枠が25人から40人に拡大される9月から先発6人制の採用も視野に入れている。今後の調整は当面、移動の負担を減らすためにニューヨーク近郊で行うことも検討されており、先発6人制とともに大きな後押しとなりそうだ。

 ≪田中のこれまで≫

 ◆7月8日 インディアンス戦に先発し、6回2/3を10安打5失点で4敗目。降板後右肘痛を訴えた。翌9日にDL入り。

 ◆10日 シアトルでチームドクターの診察を受け「右肘内側側副じん帯の部分断裂」と診断された。14日に右肘にPRP(多血小板血しょう)療法の注射を受け、3週間はノースローとなる。

 ◆8月4日 本拠地で故障後初となるキャッチボール。最長60フィート(約18・3メートル)では25球、計50球。

 ◆13日 30球程度のキャッチボールの後、平地で投本間ほどの距離で、初めて相手が座った状態で10球。

 ◆16日 故障後初めてブルペンでの投球練習。相手を座らせ、直球だけ25球。

 ◆20日 本拠地で故障後初めてブルペンで変化球を交えて35球。

 ◆23日 フリー打撃に登板し35球。

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