“暴れ馬”らしさ全開7四球!ソフトB中田 移籍後初完投9勝

[ 2014年8月24日 05:30 ]

<ロ・ソ>7四球も移籍後初の完投で9勝目を挙げた中田

パ・リーグ ソフトバンク5-1ロッテ

(8月23日 QVC)
 ソフトバンクの中田賢一投手(32)は23日、ロッテ戦で移籍後初の完投勝利を飾った。7四球を許しながらも9回3安打1失点。QVCマリン特有の強風で落差が大きくなったフォークを武器に6三振を奪った。4年ぶりの完投勝利で、8月は初勝利。「暴れ馬」がリリーフ6人をつぎ込んで延長サヨナラ負けした前夜の悪夢を振り払い、2位・オリックスのゲーム差を3・5と広げた。

 最後は少しだけ、残念そうな苦笑いだ。9回2死走者なし。完封まであと1人まで到達した中田だが、今江のボテボテの内野安打と、左翼・城所が突っ込んで逸らした根元の三塁打で1点を失った。それでも中日時代の10年8月8日の阪神戦(ナゴヤドーム)以来1476日ぶりの完投勝利。プロ通算70勝の記念星だった。

 「あそこまでいったのなら(完封は)やりたかった。ただ、こういう形で完投できたのは凄く自信になります」

 QVCマリンの風を味方につけた。最大8メートルの強風がセンターからホーム方向へ吹いた。バックネット裏のスタンドではね返り、投手にとって向かい風になり、ブレーキが利く変化球が有効だった。「フォークは風の影響でしっかり落ちてくれたので、投げながら使えるなと思いました」。唯一、無死からの走者を許した6回には1死一塁で4番・井口を129キロフォークで投ゴロ併殺打だ。全129球のうち、27球使った決め球の威力は抜群だった。

 風で困ったこともあった。「風が強いと縦の変化は気にしなくていいけど、横は曲がりすぎることがある」。そう話した通り、プロワーストタイの7四球を与えた。ただ、中日時代には「暴れ馬」と呼ばれたように荒れ球は特徴の一つだ。郭泰源(カク・タイゲン)投手コーチが「四球は持ち味でしょ」と笑ったように中田も「攻めながら出した四球なので自信を持って投げられた」と振り返った。

 最速146キロ。9回も142キロを計時し、暑さの中でも最後まで球威は落ちなかった。その裏には体調維持の細かいこだわりがある。夏は就寝30分前から冷房の温度を22度にし、部屋を冷やす。その後、ベランダで外気温を確認し、基本の26度から調整する。「室温が1、2度違うだけで、べったりと寝汗をかきますからね」。寝汗をかかないよう、扇風機でも寝室に風が行き渡るように工夫している。

 「1人で投げきったのは久しぶりじゃないの?大きいよね」と秋山監督は6月9日の阪神戦(甲子園)で完封勝利したスタンリッジ以来の完投勝利にご満悦だ。2位・オリックスとのゲーム差を3・5と広げ、「こういう試合を増やしたい」と中田の口からも威勢のいい言葉が飛んだ。

 ▼ソフトバンク・鶴岡(4回、右中間へ2点三塁打。守っては中田を好リード)打つ方向は決めていた。あれでリードも楽になった。

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2014年8月24日のニュース