中田お見事V犠飛!“野球偏差値”も上昇一途

[ 2010年8月22日 06:00 ]

<日・西>日本ハムのマスコット「B・B」にキスをされ照れる中田

 【日本ハム5―4西武】日本ハム・中田の成長を垣間見た犠飛だった。同点の6回1死二塁、打席に入る際に「涌井さんから打つのは簡単じゃない。自分で走者を還そうと思わなかった。四球でもいいから次につなげよう」と考えた。ところが初球が暴投となって走者が三塁まで進むと、気持ちと狙いどころを切り替えた。

 「どうしても1点を取りたい。そのための仕事をしよう」。1ストライク3ボールからカウントを取りにきたチェンジアップにフルスイングせず、バットにボールをぶつけることだけを考えて、打球をセンター定位置まで運んだ。三塁走者は俊足の糸井で、飛距離はこれで十分だった。
 7日の楽天戦(札幌ドーム)で決勝弾を放って以来、2度目の決勝打となった。実はこの打席前に涌井、捕手の上本、二塁手の片岡がマウンドに集まった。「どうする?」。中田との勝負を再確認するためだった。中田自身は「自分が敬遠なんて、そんなもったいないことは絶対にない」と笑うが、そのシーンこそ西武バッテリーが警戒している証拠。涌井は7月31日(帯広)の前回対戦で本塁打、この試合も第2打席で痛烈な左前打を打たれていた。試合後、梨田監督も「中田を警戒して8、9番で勝負した方がいいといった考えもあったのだろう。だから初球をボールから入ろうとしてワンバウンドの暴投になった」と分析した。これで中田は打席で優位に立てた。
 「ファンが一番喜んでくれるのはチームが勝つこと。今までの自分ならばあそこは完全にマン振り(大振り)だった。きっと自分のスイングができていなかったと思う」。一発だけじゃない。首位・西武を叩いた中田の打撃は技術だけでなく、その考え方も進化している。

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2010年8月22日のニュース