まさかの大敗…大垣日大の左腕エース、完敗を認める

[ 2010年4月2日 18:15 ]

 【大垣日大0―10興南】打球が次々と外野手の頭を越えていく。登板した1、2回戦ではまったく見られなかった光景だ。大垣日大のエース葛西は先発しながら三回を持たずに、6失点で降板。左腕は「自分の球が軽かった。相手もいい打線だった」と完敗を認めた。

 準々決勝では阿知羅が完投したために登板機会がなかった。雨で1日順延となり中2日でのマウンドだった。「疲れはなかった」。だが、興南の鋭いスイングの前に持ち味の制球力が乱れていく。際どいボールをファウルにされて、甘く入ったところを打ち込まれた。
 阪口監督は「体が重く、躍動感がなかった」と評した。エースの不調を感じ取り、序盤の早いタイミングで阿知羅への継投を決断している。大舞台での重圧が2年生にのしかかったのか。本人の認識がないまま、疲労はたまっていたともいえよう。葛西は「球は悪くなかったんだけど…」と首をひねるばかりだった。
 「九十五パーセント負ける」。試合前、阪口監督が選手にプレッシャーをかけないように話していた言葉が皮肉にも現実になった。それでも葛西は「負けてもすがすがしい。こんな楽しい場所にまた戻ってきたい」と笑顔で甲子園を後にした。

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2010年4月2日のニュース