興南、打線が初の決勝引き寄せる

[ 2010年4月2日 19:08 ]

 【興南10―0大垣日大】4試合連続で2けた安打の打線が、初の決勝を引き寄せた。興南は15安打10得点で大勝。3安打4打点と起爆剤になった山川は「1点でも多く取ろうと思っていた」と笑みを浮かべた。

 二回の第1打席だった。低めの変化球に手を出さずに、大垣日大のエース葛西を追い詰めていく。「真っすぐしかストライクが入っていない」。浮いた直球を振り抜くと、打球は右翼へ。公式戦で初という本塁打で先制。「切れるかなと思ったけど、振り切った分、入った」と手応えをかみしめた。あとは、余裕を失った相手を打ち崩すだけだった。
 チームは準々決勝まで35安打と打ちまくっていた。山川は1回戦で放った1安打のみ。蚊帳の外に置かれて「毎試合、迷惑をかけていた」と思い悩んでいた。昨秋も打率は2割台だった。正確なミートを身に付けるため、芯でとらえなければボールが飛ばない木製バットを使用。必死に振り込んできた努力が実を結んだ。
 興南の甲子園での最高成績は、我喜屋監督が主将だった1968年夏の4強だ。決勝にたどり着いた後輩たちを、指揮官は「目の前で越えてくれて喜ばしい」とたたえた。4試合で挙げた26得点に対して、失点はわずかに3。投打がかみ合う内容にすきは見当たらない。優勝はもう手のとどくところにある。

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2010年4月2日のニュース