不振に苦しんだ主砲に待望の来日第1号

[ 2010年4月2日 22:05 ]

来日初本塁打のボールを手にするロッテ・金泰均

 【ロッテ5―3オリックス】184センチ、100キロの巨体を揺らし、ロッテの金泰均は懸命に一塁に走った。打った瞬間、フェンスオーバーと思われる当たりだったが…。気付くのが少し遅れ、照れ笑いでダイヤモンドを回った。

 待望の来日第1号に「完ぺきに真しんでとらえたが、球場も広いし、全力で走ったよ」と言う。開幕から内角攻めに苦しみ、打率は1割台に低迷。この一発まで10試合、44打席もかかった。韓国9年で188本塁打した「英雄」の全力疾走が苦悩の大きさを物語る。それを知るベンチはサヨナラ本塁打のように盛り上がった。
 最近は黒のバットを使っていたが、気分転換にと開幕直後の不振の象徴だったオレンジ色に戻した。「本当にうれしい」と悩める主砲はほっとした笑顔。五回に飛び出した2ランだけでなく、チームが3得点した一回にはつなぎの中前打が光った。「打つ人が打ってくれた」と、西村監督は主軸の上昇気配を喜んだ。
 「期待されていたことを考えると、(1号は)遅かったかな」と金泰均。「量産宣言」にも聞こえる不敵な言葉が、好調のチームには頼もしく響く。

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2010年4月2日のニュース