732日ぶり先発勝利…川越“強風”制した

[ 2010年4月2日 06:00 ]

<ロ・楽>移籍後初登板初勝利の川越はマリン球場のロッテファンと喜び合う

 【ロッテ3―2楽天】ロッテ先発・川越の相手は打者だけではなかった。新天地で迎えた今季初登板初先発は、グラウンドにビニール袋が乱舞する強風との戦い。年に数度しかない風速10~13メートル。川越登板時は12~13メートルでマウンド上では顔がゆがむほどの風が常に吹き付けていた。

 「風というよりリズムが良くなかった。でも、ここまで強い風の中で投げたのは初めて。変化球は思った以上に曲がるし、直球も思ったよりずれてしまう感じでした」
 中堅から本塁方向に吹く千葉マリン特有の海風はバックネットではね返り、投手にとって向かい風となる。直球は浮き上がり、変化球の切れは増すが、風が強いほど自分の感覚以上に球の変化が大きくなり制球に苦しむ。川越はオリックス時代、千葉マリンで22試合に登板して6勝5敗、防御率3・06。相性はいい球場だが、3回までの打者15人に対して初球ボール球が10人。57球を要し2点を失った。風速5メートル以下だった3月12日の西武とのオープン戦(千葉マリン)では4回を44球で無失点。少ない球数で打たせて取るのが持ち味の36歳右腕が強風にいかに苦労したかが分かる。
 それでも4、5回は球持ちを良くするなどして制球面を修正。5回2失点で08年8月15日の日本ハム戦(札幌ドーム)以来の白星をつかんだ。先発での勝利は同3月30日のロッテ戦以来732日ぶりだ。「本当はもう少し長い回を投げないといけない。この風と付き合っていかないと。うまく利用できれば武器になる」と笑った。
 チームは球団名がロッテになった69年以来41年ぶりの開幕3カード連続勝ち越し。「川越はよく2点で抑えてくれた。合格点でしょう」と西村監督。本拠地の風に後押しされるように上昇気流に乗った。

 ▼ロッテ西本投手兼バッテリーチーフコーチ(川越に)風にかなり神経を使いながら、よく投げてくれた。点を取られても、我慢して同じ回に追加点をやらなかったのが大きい。
 ▼ロッテ里崎(決勝打に好リード)今までの全8試合分より、きょうの試合は疲れた。立っていられないほどの風だし、捕るだけで大変。直球も風で曲がっていた。

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2010年4月2日のニュース